聴くだけで脳が目覚める?脳科学が明かすクラシック音楽の力【ジ・アップグレード】

クラシック音楽は、ただ美しい音色を奏でるだけではありません。脳に変化をもたらす効果もあります。ストレスを緩和し、気持ちを落ち着かせ、神経回路を再構築する働きさえ促すことがあります。こういう例があります。2015年、音楽史に名を刻むシンガーソングライター、ジョニ・ミッチェルは脳卒中で生死をさまよい、会話、歩行、演奏もできなくなり、回復への道筋も見えないほどでした。そんな絶望的な状況にあった彼女を支えたのは、理学療法や薬物療法だけではありませんでした。

そう、音楽だったのです。自らが愛してきた楽曲と深く向き合うこと。そこには、記憶や自己認識、そして感情と結びついた音楽の力がありました。神経科学の知見をもとに、彼女のために最適な音楽が選ばれ、適切な音楽を、適切なタイミングで、適切な方法で聴く。いわば、音楽療法を行ったのです。

その結果、ジョニは、一命を取り留め、再びステージに立ちました。現在、クラシック音楽には脳の神経回路を文字どおり再構築する可能性があることが科学的に証明されつつあります。ストレスを感じやすかったり、記憶力の低下が著しかったり、いつも頭がぼんやりする人は、クラシック音楽をもっと活用してみてはいかがでしょうか。

▶ 続きを読む
関連記事
寝不足は「眠い」だけではありません。脳は睡眠中、毒性タンパク質を洗い流しています。しかし睡眠が足りないと、その「大掃除」ができず、アルツハイマー病の原因物質が溜まりやすくなるのです。あなたは、毎晩ちゃんと脳を掃除できていますか?
「脳がほとんどないのに、普通に暮らしていた男」――。2007年、脚の軽い脱力で受診したフランス人男性の頭蓋内は、ほとんどが髄液で満たされていました。それでも彼は結婚し、2人の子どもを育て、公務員として生活していたのです。なぜ生きられたのか?