1日10,000歩に到達するのは簡単ではありません。
34歳のマーケティングマネージャー、ミーガン・ビッサー氏は、以前は1日10,000歩を目標にしていました。
「毎日、目標に達していないのを見るたびにストレスが増えました」と、彼女はエポックタイムズに語りました。
1日10,000歩が一般的な基準とされていますが、より少ない歩数でも多くの健康効果が得られる可能性が示されています。
最適な歩数
毎日の歩数は、がん、認知症、心血管疾患など、さまざまな健康問題のリスク低減と関連しています。『The Lancet Public Health』に掲載された最近の研究では、疾患リスクの全体的な低下は1日5,000~7,000歩で最も大きく、それ以上では効果が次第に小さくなることが示されました。

効果を明確にするため、1日2,000歩と比較した場合、7,000歩は以下との関連が見られました。
- 全死因死亡リスク47%低下
- 心血管疾患死亡リスク47%低下
- がん死亡リスク37%低下
- 認知症リスク38%低下
- 抑うつ症状(気分障害の症状)リスク22%低下
- 転倒リスク28%低下
- 2型糖尿病リスク14%低下
わずかな歩数の増加でも、大きな違いが生まれます。1日あたり追加の1,000歩ごとに効果は高まりました。少しの努力が大きな成果につながる例として、4,000歩は2,000歩と比べて全死因死亡リスクを36%低下させていました。
「4,000歩のような控えめな歩数の増加でも、非常に低い活動レベルと比べれば健康効果が得られます」と、研究の主著者でシドニー大学の公衆衛生学教授、メロディ・ディン氏はエポックタイムズに語りました。
ディン氏は、研究結果における脳へのメリットについても強調しました。
「私にとって、抑うつ症状と認知症が特に印象的でした」と彼女は述べました。「これも、活動的でいる理由の一つです」
ウォーキングをすると心拍数が上がり、動脈や静脈を通じてより多くの血液が全身に送られます。時間とともに心筋は強化され、血流の増加は血管を柔軟で健康な状態に保ち、全身の循環を改善します。酸素や栄養素が組織へより効率的に届けられることで、臓器の働きも支えられます。また、筋肉はウォーキング中に血中のグルコースをエネルギーとして利用し、血糖値の調整を助けます。
ウォーキングは血流を増やし、ニューロンの成長やつながりをサポートすることで、脳や気分にも良い影響をもたらします。さらに、セロトニンやドーパミンといった気分を調節する脳内化学物質の分泌を促し、ストレスの軽減や気分の向上につながります。
全体像の一部
歩数は健康に役立つ指標ですが、それだけで全体像を語れるわけではありません。
「私たちは、歩数追跡をアプローチの中心として積極的に用いているわけではありません」と、運動専門家でLabarre Jansen van Vuuren Biokineticistのアンネリエン・フルーネヴァルト氏はエポックタイムズに語りました。
歩数計やスマートウォッチは、目安を示し初心者の動機づけになる有用なツールですが、誰もが所有しているわけでも、常に着用しているわけでもなく、歩数の記録精度にばらつきが出る場合があると、フルーネヴァルト氏は述べました。
また、歩数ではサイクリングやローイングなど他の身体活動を把握できず、移動に制限のある人にはあまり有用でないこともあります。
各患者の健康目標は、その人の状態や怪我の状況に応じて異なり、モニタリング方法も個別に設定されるべきだと、フルーネヴァルト氏は述べました。
ウォーキング、つまり歩数を基準にした運動は体重を支える活動であるため、手術後の回復期や怪我、慢性的な痛みを抱える人には適さない場合があることを理解しておく必要があります。
移動が困難な人に歩数目標を課すことは、かえって害になる可能性もあります。ウォーキングは関節や筋肉に追加の負担をかけ、回復を遅らせたり、新たな問題を引き起こしたりすることがあると、フルーネヴァルト氏は述べました。
代替案を見つける
ウォーキングが安全に行える場合でも、必ずしも一度にまとめて行う必要はなく、正式な運動のように構える必要もありません。バスを一停留所早く降りる、エレベーターの代わりに階段を使うといった日常の行動も歩数に含まれ、こうした小さな活動が1日を通して積み重なり、健康に寄与します。
「実用的で楽しい方法で、より多く動く機会を取り入れてください」と、ディン氏は述べています。
バイオキネティシストのロシェル・デュアルテ氏は、患者に対して長時間座り続けることを避け、できるだけ動いて歩くよう勧めています。
怪我やその他の理由でウォーキングができない場合、デュアルテ氏はまず個別に調整した運動プログラムで痛みや移動の問題に対応し、その後でウォーキングを取り入れます。
「5~10分のウォーキングから始め、徐々に時間を延ばしていくことを勧めています」と、デュアルテ氏はエポックタイムズに語りました。「可能であれば、最初は平坦で安定した路面が望ましいです」
ウォーキングが難しい、あるいは痛みを伴う人には、プール環境が快適であれば固定バイクや水中エアロビクスを提案し、体力のあるクライアントにはエリプティカルマシンも良い選択肢だと、デュアルテ氏は述べました。
リカンベント型の固定バイクは、背もたれに寄りかかり脚を前に出してペダルを漕ぐため、関節への負担が少ないのが特徴です。10分程度の軽いサイクリングから始め、徐々に30分まで増やすことができます。
水中エアロビクスでは、プール内でのウォーキング、ハイニー、レッグスイング、または軽いジョギングを20~40分行うことを、デュアルテ氏は推奨しています。
(翻訳編集 日比野真吾)
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