親孝行

古希を迎えた老萊子(ろうらいし)

2017年11月10日 07時00分

 百善は孝を先となすー中国の伝統文化において、親孝行は重要な要素のひとつ。それにまつわる70歳の古老の逸話があります。

 春秋時代(約2400年前)、楚国に「老莱子(ろうらいし)」という隠士がいました。戦乱の世にあって、年老いた親の不安を静めるために、彼の一家は田舎に引っ越しました。彼は70歳になっても色鮮やかな服を着て、子どものように振る舞い、おもちゃで遊ぶ姿を両親に見せて笑わせました。

 また、ある日、彼は水を運んで両親に近づいた時にわざと転倒し、水を浴びてずぶ濡れになった滑稽な姿を見せました。両親は彼のコミカルな姿をみて思わず笑ってしまったと伝えられています。

 「孝」という漢字は、上が「老」で下が「子」。年寄を支える子を意味し、親に尽くすことを示しています。しかし、それは単に親を扶養するのではなく、親に心から仕え、心配させないことを含みます。古希を迎えても、高齢の両親に奉仕した老莱子は真の「孝」を体現しているのです。

 老萊子の孝行は『二十四孝』(中国の有名な24人の孝子の故事をまとめた書物)に取り上げられ、後世に語り継がれています。

(文・豊山)

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