「顰みに倣う」(ひそみにならう)【1分で読める故事成語】

「顰みに倣う」の出典は『荘子』です。著者の荘子は道教の始祖の一人とされ、実は、『荘子』の中のすべての作品が荘子のものではなく、多くはその弟子や道教の者たちの作品です。

春秋時代、越の国に西施(せいし)という美女がいました。病により胸を痛めている時、よく眉をひそめて手で胸を押さえていました。

村の女性はその美しい姿を見て、自分もそれを真似ました。しかし、もとから西施ほど美しい容姿をしていないにもかかわらず、意図的に西施の動作を真似ているため、より一層気味悪がられてしまいました。村のお金持ちは屋敷から外出しなくなり、貧しい人々は一家そろって引っ越してしまったのです。女性は自分がなぜ嫌われているのか、なぜみんなに避けられているのか全く分かりません。

このことから、「顰みに倣う」は善し悪しも考えず、むやみに他人の真似をするという意味で、また、人の言行を見習う際、謙遜の言葉としても使われます。
 

霊児