中国古代の兵法書

トランプ米大統領、金正恩政権に不戦勝戦略か

「戦わずして相手を屈服させる」ー中国古代の兵法書大作・孫子に記された戦の理だ。核・ミサイル開発を止めず、国営メディアでは物々しい言葉で日本や米国を威嚇する北朝鮮に対し、トランプ大統領は強硬さと温和を持ち合わせた対応を取っている。大統領の元首席戦略官スティーブン・バノン氏の愛読書とされる孫子は、大統領も参考にしているかもしれない。

アジア歴訪中のトランプ大統領が12日、北朝鮮の金正恩・労働党委員長から「老いぼれ」などと罵られたことに対して、ツイッターで「私は彼を『チビでデブ』とは決して言わないのに」と冗談で応酬しながら、「友人になる日がいつか実現するかもしれない」と寛容さを示した。

日本を含む関連諸国から「制裁強化を中国に促していながら、なぜこういう書き込みをするのか理解し難い」という声が上がっている。

孫子の主要理論の一つは「百戦百勝、非善之善者也。不戦而屈人之兵、善之善者也(百戦百勝は善の善なる者にあらず。 戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり)」。兵法書でありながら、戦争を勧めない観点である。 

大紀元コラムニスト周暁輝氏は、トランプ大統領は孫子の理論を応用しているではないかと指摘した。政治経験はなくストレートな物言いばかりが目立つものの「意外にも義理を重んじる頭脳派の首脳ではないか」と推測した。

孫子は紀元前500年ごろの中国春秋時代の軍事思想家孫武の作とされる兵法書。武経七書の一つ。古今東西の兵法書のうち最も著名なものの一つ。

金正恩・委員長が感化され、振り上げた拳をおとなしく下ろす日は訪れるのか。

 (翻訳編集・叶清)