青蔵鉄道全線開通、海外亡命チベット人らが猛抗議

2006年07月02日 09時50分
 【大紀元日本7月2日】中国青海省・西寧市とチベット自治区を結ぶ青蔵鉄路(全長1142キロ)が7月1日、全線で運転を開始した。同日、海外へ亡命したチベット人および支持者らは、インド北部のダランサラで、同鉄道の開通を抗議するための集会を開いた。中共国家主席胡錦濤は、青蔵鉄道の全線開通式典に出席、同鉄道の開通によって、チベットと青海両区の経済発展および境界の防衛にとって意味重大と示したが、中共の統制を反対するチベット人及び支持者らは、同鉄道建設は軍事目的にあると見ており、同鉄道の開通はチベットの社会および経済に重圧をもたらし、チベットの伝統的な文化も破壊されると強く懸念した。

 
6月26日、インド首都のニューデリーにある中共大使館の前に、青蔵鉄路の開通を抗議するチベット人女性(AFP)

600人を乗せた開業列車は、7月1日午前11時5分に青海省ゴルムド駅を出発し、チベット自治区の区都ラサへと向った。胡錦濤・中共国家主席は開通式典で、世界最高海抜を走る同鉄道は、中国鉄道建設史上の壮挙であるとし、世界鉄道建設史においても一大奇跡であると賞賛した。また、鉄道の開通によって、チベットおよび青海両区の経済発展、民族団結および境界の防衛にとって重大な意義を持つことを示した。

 しかし、中共の圧制に抗議するチベット人は、同鉄道の開通はチベットの社会および経済に重圧をもたらし、漢民族の流入によって北京語の使用が増えるに連れて、同言語のできないチベット人の就職難が起き、さらに疎遠させられると共に、チベットの伝統的な文化も破壊されると強く懸念した。チベット婦人協会の才仁会長は、同鉄道の開通を抗議する集会で、「中共当局は、同鉄道はチベットに経済繁盛をもたらすと宣言したが、我々は同鉄道の開通が政治計画であることはよく知っているのだ」と指摘した。才仁会長は、同鉄道の開通は更にチベット人の疎外をさせると非難した。

 チベットの人権活動家は、中共が1950年よりチベットを統治してから、政策の策定において、チベット人の意見は一度も聞いたことがなく、現在においても、人権侵害の状況は好転の兆しもないという。実際、昨年は、ラサでダライ・ラマの講演のビデオを見ただけで、当局に監禁されたチベット人がまだいるという。

 中共鉄道部・青蔵事務所の朱振升副主任は、同鉄道の開通による人々の流通は、チベット文化および同文化が外界への伝播にとって良いことであると主張したが、3人の西洋人女性は開通の前日に北京駅で、同鉄道はチベットの文化を消滅し、中共がチベットに対する統治を強めるためであると抗議を行った。

 さらに、環境保護者らは、同鉄道は青蔵高原の独特的で衰弱な生態系の破壊をもたらすと懸念した。

 一方、外国メディアやチベット支援者らは、同鉄道建設の本当の目的は軍事であるとみている。同鉄道によって、中共は随時、軍隊を送り込むことができるとし、中共はチベット、インド、ネパールとの境界線付近の安全を保つことができるとみられている。また、同鉄道を通じて、チベットの豊富な自然資源を獲得し、ウランが中共の核開発計画にエネルギーの供給源となり、ゴールドやその他の鉱物も同鉄道によって、内陸各地の経済発展地区へ搬送できるとみている。

 チベットの精神的リーダー、ダライ・ラマは、同鉄道の開通に対し静観の態度を取っている。ダライ・ラマのスポークスマンが、政治的動機及び計画がなければ、同鉄道はチベットには有益であると発言した。「しかし、もしチベットの環境破壊をもたらし、漢民族の移住が増えるとしたら、チベット地区のチベット人の生活に災難に発展する影響を与えてしまう」という。

 同鉄道はペルーの「アンデス山脈鉄道」の最高海抜記録4800メートルを刷新した。同列車には医療関係者が常時添乗し、個々の乗客に酸素マスクが配布されるという。

 青蔵鉄道の第1期建設は、西寧から青海のゴルムドまでの鉄道は、すでに1984年に開通されていた。
ラサ河を跨ぐ青蔵鉄道陸橋および周りの景色(Cancan Chu/Getty Images)



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