毛沢東没後30年:『マオ-誰も知らなかった毛沢東』、中国語版初発行

2006年09月09日 11時38分
 【大紀元日本9月9日】中国共産党(中共)前指導者・毛沢東没後30年目に当たる9月9日を前に、中国大陸で中共当局が毛を神格化する大型の舞踊記念イベントを予定している。一方、香港、ニューヨーク、台北では9月6日、ユン・チアンの著作『マオ-誰も知らなかった毛沢東』の中国語版が同時出版された。2005年6月英語版が発出版、西側社会でセンセーションを引き起こしたこの本は、すでに30数か言語に翻訳され、「毛沢東神話に頼るすべてのものを打ち砕き」の一冊として各国でベストセラーとなった。前香港行政長官・彭定康氏は同書を「現代史を覆した衝撃的著作である」と評した。同書は現在大陸では発行禁止となっている。日本語版は昨年11月講談社により出版された。

 中国語版を出版した香港「開放」誌の総編集長・金鐘及氏は、ユン・チアン夫妻を取材した唯一の香港メディアとして、同書の出版權を取得できたことを喜び、毛沢東の死後30周年に間に合うよう、出版を急いだという。金氏は、出版によって、中国の民衆が毛沢東および共産主義に対する新たな認識を持つことができ、歴史の真相を追求するよい機会になるを期待しているとコメントした。「毛沢東は殺人鬼である。この本は、毛沢東本来の顔を戻したのだ」と語り、毛が引き起こした文化大革命(文革)は国家と人民に災いをもたらしたと指摘した。金氏は、中共はその権力と合法性を維持するために、「毛は晩年に過ちを犯した」の一言ですべてを片付けている。しかし、毛および共産党が犯した犯罪は幾千万人の累々たる血生臭い罪悪であり、我々は沈黙してはならず、毛の犯罪に対して暴露、譴責すべきだと主張した。

 金編集長によると、同書は大陸では発行禁止となっているが、インターネットや個人の携帯によって、大陸へも徐々に広がっていき、大陸の民衆に対して啓発と震動を与えるだろうという。また、本の売れ行きは上々であるという。

 * 中国語版発行の道のり

 イギリス滞在中のユン・チアン氏と夫ジョン・ハリデイ氏が、12年の歳月を費やして完成させた『Mao: The Unknown Story』は、2005年6月に出版された。ニューヨーク・タイムズ紙が、毛沢東神話に頼るすべてのものを打ち砕き、全世界の人々の愛読書であると賞賛するなど、欧米評論界は同書を高く評価した。また、タイムズ・ウィーク誌は「この本の威力は原子爆弾のようだ」と評した。ブッシュ大統領もメルケル独首相に同書を推薦したという。

 しかし、中国語版は紆余曲折を経て、今年になって初めて出版する運びとなった。同書は最初、台湾の遠流出版社が今年5月に出版する予定だったが、同書の中にある、故国民党の胡宗南将軍が中共のスパイであったという記述について、息子である台湾政府駐シンガポール代表・胡為眞氏が抗議したため、台湾での発行は実現できなかった。

 * 毛沢東の歴史的評価を一変する一里塚

 毛沢東に関する資料や情報は中共によって封鎖されており、毛に対する評価は謳歌するのみで、公に批判することは許されなかった。同書の著者と歴史家の夫は12年間を費やし、世界数十ヶ所の資料館を訪ね、ブッシュ前大統領、ヒース前英国首相、ダライ・ラマ14世などの各国要人や、毛沢東の親族および周りにいた仕事関係者など、四百八十人のインタビューと、英文の原書で百十三ページの膨大な注釈のある一冊となった。金氏は、この本は中国人にとって、毛沢東の歴史的評価を一変する一里塚になるだろうと述べた。

 * 「抗日の指導者」が日本軍の占領を歓迎した

 同書では、「建国の英雄」が実は共産党創設メンバーではなかったとの見方を呈示している。「抗日の指導者」のはずの毛沢東が、自分が中国の支配者になるため、日本軍の占領を歓迎し、日本軍の力を利用して「抗日戦争」に尽くした蒋介石を滅ぼしたという。

 * 中共が長征で勝利した原因

 同書では、中共が中国国民党に勝ったとされる長征は、決して軍事戦争および政治的策略による勝利ではなく、当時、蒋介石がモスクワで人質になった息子・蒋経国の命を保護するために、中共を見逃したからであると指摘し、中共の歴史にまったく新しい見解を示している。

 * 著者・ユン・チアン

 ユン・チアン(張戎)氏は金氏とのインタビューで、「この本は大量の史料に基づいて出来上がった毛沢東に関する真実の本である。中国大陸の読者からは非常に興味をもたれると思う。多くの知られざる逸話も盛り込まれているからだ」と語った。また、同氏は、「毛沢東が中共に加入したのは、彼が共産主義の思想を追求し、または、農民の生活を改善するためでもなく、まったくの偶然の機会だったことが分かったのだ」と説明した。同書によると、中共が1920年に上海で結成したとき、毛沢東は中共の創始者・陳独秀氏に出会った。陳氏が、当時読書の好きな貧しい毛沢東に共産主義宣伝品を販売する書店での仕事を与えたことが、毛沢東にとって初めての、共産党との接触だったという。すなわち、中国共産党は毛沢東が創建したものではないのだ。

 ユン・チアン氏は、「毛沢東は全世界の四分の一の人口を統治していた。彼に関してもっとも重要な事実とは、彼が27年間の統治の中で、7千万の中国人が平和な時期に死亡したことである。毛沢東は、人為的に7千万人を死に追いやったのだ。第2次世界大戦時に死亡した総人数5千万人に対して、毛沢東の暴政下で死亡した人数はそれを有に超えているということだ。この数字は世界的に見ても歴史上においてもトップである」と語った。同書では、1958年からの3年間にわたる「大躍進」の時期、3800万人が餓死、疲労死したと語った。

 更に、毛沢東は生前、中国人民に幸福をもたらさなかったし、人民の生活水準も改善されず、人と人が闘争する中国社会を作り上げたとユン・チアン氏は指摘した。同氏は、「道徳において、毛沢東は取るべきところがない。彼は自分の国、党、家族に巨大な災難をもたらした」と指摘した。

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