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米中間選挙戦、民主党大きくリードで終盤に

 米中間選挙戦は、11月7日の投票に向けて野党・民主党が与党・共和党より優勢な状況で最終週に入る。共和党は、党を支持する有権者に投票を呼びかけることや、争点をイラク問題から他にシフトさせることで議席の喪失を最小限に抑えたい考え。

 最近の世論調査では、ブッシュ大統領やイラク戦争への不満を追い風に民主党が支持を広げており、共和党は上下両院での過半数議席維持が危ぶまれる事態となっている。

 共和党は、一般民衆の政権交代を望むムードから、いかに状況が悪いかや、民主党の過半数議席確保につながる議席拡大(下院=15議席、上院=6議席)を阻止できるかを検討している。

 共和党の政治コンサルタント、ウィット・アイヤーズ氏は、今回の中間選挙について、ウォーターゲート事件でニクソン大統領が辞任に追い込まれたことが痛手となり、下院で48議席を失った1974年以来、最も厳しい環境とみている。

 ただ、それでも民主党か、上院、下院のいずれかで与党となることが確実ではない、とも指摘。「共和党はゴールで非常に上手くやる」としている。

 今回、共和党にとって最後の頼みは、投票率を1─2%ポイント押し上げる効果があるとされる同党得意の有権者への投票呼びかけ、それに選挙戦の焦点を一般大衆の間で不評が募るイラク戦争から別の問題に振り向けさせることだ。

 一方、民主党も、共和党の有権者動員運動への対抗する独自策を用意。

 民主党の上院選挙対策委員会のシューマー委員長は、フォックスニュースの番組で「2004年のかれらの勝利を知っており、われわれは2005年初めから準備を進めている。わが党の有権者動員努力は、この長年で初めて共和党と肩を並べるものになる」と語った。

 共和党は、今回改選される下院全435議席と上院の33議席が候補者者同士の戦いであり、ブッシュ大統領やイラク戦争をめぐる国民投票にしたいと考えている。

 <ハワード・ディーンの影>

 共和党の政治コンサルタントであるアイヤーズ氏は、民主党のハワード・ディーン委員長とナンシー・ペロシ下院院内総務を名指しし「ハワード・ディーンとナンシー・ペロシに国を支配されるという不安をあおって、共和党支持の有権者に活力を与える必要がある」などと述べる。

 独立系のアナリストからは、民主党が下院で20─35議席増やす、との見方がでている。上院については、ペンシルベニア、オハイオ、ロードアイランドで共和党から議席を奪う勢いという。

 民主党が上院で過半数議席を確保するためには、テネシー、バージニア、ミズーリのうち2州で議席を奪還するほか、ニュージャージーの議席を死守する必要がある。

 歴史は民主党に味方している。これまで、与党政党は大統領の任期6年目の選挙では議席を減らしている。最近、このジンクスが破られたのは1998年。このときは、共和党によるクリントン大統領弾劾の動きが嫌気されたことが追い風となり民主党が下院で5議席増やした。

 世論調査では、共和党が下院で民主党に圧勝した1994年と比べて政治が誤った方向性にあるとの見方が大勢を占める。

 30%台の半ばから後半で推移しているブッシュ大統領の支持率も、1994年当時のクリントン大統領(40%台の半ばから後半)を大きく下回る。

 独立系組織クック・ポリティカル・リポートの下院アナリスト、エイミー・ウォルター氏は「政治情勢を考えると、共和党が手痛い敗北を喫すのはまちがいなさそうだ。問題は、傷がどの程度深いかだ」と述べている。

 共和党のコンサルタント、リッチ・ゲイレン氏は「投票するつもりの人々が、イラク問題について見解を下していないとは信じがたい」としたうえで「いま問題なのは、何か投票のカギかだ。国内の問題は、投票意欲がそぐ」とみている。

  [ワシントン 29日 ロイター]

 (06/10/30 16:52)  





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