就寝前の親孝行

『扇枕温衾』は二十四孝の中の一つです。

この物語の主人の名前は黃香で、東漢江夏安陸(今の湖北省安陸縣)の⼈です。彼が九歳の時に母親が亡くなり、彼は非常に悲しく一日中母親のことを思いました。村の人たちはそんな彼を見て孝行息子だと褒めていました。

黃香は父親思いの人で, 父親に出来るだけ休ませるために、幼いながら毎日体力仕事を積極的にこなしました。また、日常生活の面でも細心の配慮が行き届くようにしていました。

夏は暑く、蚊も多いため、黃香は父がよく眠れないと心配し、いつも父が寝る前に扇子で父の枕と寝床を扇いて涼しくして、蚊を払ってから父を寝かせました。

冬は寒く、父が凍えないように自分が先に冷たい寝床に横になり、自分の体温で布団を温めてから父を寝かせました。

まもなく、彼のこのような親孝行の話が街全体に広がりました。人々は「天下無双、江夏黄香」と彼を称賛しました。この言葉は長い間ずっと広く伝わっていました。

「冬は寝床を温め、夏は枕を扇いで涼しくする。すべき事を知る子、黄香は千年に一人の子。」これは後世の人たちが作った黄香を称賛する詩です。黄香がこれほどまで尊敬されることは、なんて素晴らしいことでしょう。