海外の中国系住民を洗脳する―新中共メディアの宣伝効果
中国は経済発展と国力上昇に伴い、対外宣伝に多くの資金を投入するようになった。特に力を入れているのが海外のメディア、とりわけアメリカのメディアであり、その宣伝効果は日増しに顕著になっている。
アメリカで発行されている主要な中国語新聞四紙は、何れも中国政府の影響ないしコントロールを受けている。まず『僑報』は中国政府の出資による新聞であり、その直接の支配下にあると見られているし、次に『星島日報』のオーナーは中共の政治協商会議の委員であるし、また『明報』の経営者は誰も知らぬ者とてない北京の商業界のボスであり中共と密接な関係のある人物であるし、さらには『世界日報』に対しても、同紙の母体である台湾の『聯合報』が北京との経済発展関係を模索して中国に投資をしていることにより、中国政府は経済的手段を使って、北米地域で最大の発行部数を誇るこの新聞の立場や報道に影響を与えている。アメリカ在住の中国人学者・梅都哲は、中共による海外の中国語メディアへの浸透に関する研究書の中で次のように書いている。「ニューヨークおよびサンフランシスコの中国領事館は、『世界日報』のそれぞれの地方版に圧力をかけ、法輪功に関する広告を掲載しないようにさせている。ニューヨーク版の『世界日報』はすでに完全に同意し、サンフランシスコ版の『世界日報』も部分的に同意している。サンフランシスコ版はいまだに法輪功の広告を扱ってはいるが、その九割方はいちばん目に付きにくいところに掲載している。」
最新の統計によると、アメリカにいる中国系住民は288万人に達し、過去10年間で50%も増加しており、すでにアメリカ総人口の1%を占め、アメリカにいるアジア系住民の中ではいちばん数が多い。アメリカの国勢調査によれば、中国系住民の60%以上が英語の能力の限界を認め、情報源としては主として中国語メディアに依存している。中国語新聞はそういう人々の主要な情報源となっている。アメリカの主要な四つの中国語新聞や主要な中国語テレビメディアが、中国政府の影響やコントロールを受けているとすれば、中国政府の影響がアメリカの中国系住民に及んでいることが推察される。