【簡美育作品集】『静観』・その八

【大紀元日本6月24日】牡丹〔玉芙蓉〕:古来、画家は絵筆により牡丹を称え、数多くの不朽の名作が残された。この作品は、満開の牡丹の花弁が柔らかに描かれている。葉脈は繊細にして、葉身は青、藤、黄などにより、幾重にも染められ、背景の石緑が前後を際立たせており、重厚なものとなっている。また、洗練された色使いと形状の広がりが、現代的感覚を感じさせるものとなっている。

ケシ(38cm×40cm/1999年)

群生するケシの形は奇抜な個性がある。蕾は低く垂れているが、開花前の勢いを感じさせる。そして、遂には直立する美しい黄色の花が展開している。異なる題材を描くときには、憂愁と快楽を描き出しているようでもあり、自己の内在を掘り起こすことによって、はじめて花の精神を完成させることができる。

*画家のプロフィール  簡美育:画家、1953年台湾省南投生まれ。台湾密画の画法による花鳥絵画を得意とする。幼少時から絵画に親しみ、台湾芸術大学美術科卒業後、1987年台北市立美術館で初の個展を開催。20二十数年の間に、その画風はしばしば変更されたがをえてい、近年の制作された密画の画法による作品群は、台湾美術界にで絶賛された。完璧な構図及び技法に加え、西洋絵画の明暗法も取り入れられているのが、その特徴となっている。一連の作品は、「万物を静観すれば、自然にその内在する生命力の強さがわかる」という、独自の自然観に基づいている。代表作の『竹雀図』は、歴代における竹雀の密画絵画の中でも、宋の巨匠徴宗に次ぐ名人作だと言われています。代表作である『竹雀図』は、歴代の竹雀密画作品中、宋の巨匠・徴宗に次ぐものと、高く評価されている。)

(廖雪芳執筆)