米国防総省:軍事費は公表の2~3倍、ターゲットは台湾

【大紀元日本7月21日】VOAの報道によると、米国防総省が19日、中国軍事力に関する報告書を公表した。報告書では、中国は軍事力の増強と軍事装備の近代化に注力しており、ターゲットは依然台湾に向けられているという。また、実際の国防予算は900億ドル(10兆円)上り、中共が公表した額の約3倍であるとみている。

軍事力の近代化計画

当報告書は、中国軍事力の近代化計画を明かした。「海軍、空軍、ミサイルと宇宙開発などの改善プロジェクトが含まれている。陸軍も再編され、技術化が進み、攻撃性が強まった。一部の国家が研究を進めている最先端の分野には、莫大な投資で勝ち抜こうとしている。例えば、軍事衛星やそれに対抗するシステムの開発、ネットワークと通信システムをかく乱させる技術の研究などである。この結果、中国は、アジアでの軍事力のバランスに影響をもたらし、周辺国と地域の米軍に対する確実な脅威になり得る。しかし、アジア以外においては、中国の軍事力はまだ限定されている」と詳細に記した。

ターゲットは台湾

報告書は、台湾は依然として、中共の軍事ターゲットであることを指摘した。北京は、台湾の独力を阻止しようとしており、中共は、台湾海峡で、最先端の軍事装備を設置し、精度がより高い短距離と中距離弾道ミサイルも含まれている。軍事力の増強に伴って、中共は、武力で台湾やその他の地域を攻撃することに自信をつけていると分析。

軍事力改善は、海外からの武器輸入と技術提供に依存

報告書は、「ロシアは中国の主要な武器供給国、イスラエルは一部重要な技術を提供しており、欧州やアメリカも含めて、中国に重要な軍事装備を輸出したことがある」と明らかにした。

アメリカ国防総長・ラムズフェルド氏は、当報告書は、EUの対中国武器禁輸解除に対して米国が反対する立場にさらなる根拠を示したとコメントした。

国防予算は900億ドル、公表した額の約3倍

報告書は、中共の国防予算は900億ドル(10兆円)に上り、公表した額の約3倍だと見積もる。米国、ロシアに次いで世界第3位の軍事大国となる。

一方報告書では、アメリカは十分に中国の軍事力の発展状況を把握していないことも告げられ、中国の何種類かの新型武器が正式に公表されるまで、アメリカの専門家は、まったく情報を入手していなかったという。

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