中国共産党の金属疲労、迷走する人民解放軍
【大紀元日本12月13日】中国は悠久の歴史のある国家であり数千年の間、幾多の王朝が栄枯盛衰を繰返して来た。個々の王朝や政権には当然のことながら、それを支える膨大な官僚組織があった。科挙に代表される官吏登用が当時の人士に無数の悲喜劇をもたらしたことも漢から清朝に至る数知れぬ漢詩や詞を読めば歴然としている。時として目にする員外郎なる言葉も組織の肥大が招いた苦肉の策であったろう。
もとより現代中国は共産党の支配する一党独裁政権により支配されており、歴史書の王朝とは全く異なるものではあるが、その官僚機構を見る限り科挙こそ無くなったものの、控えめに見ても昔と同じく党内の人脈にかなり依存しているものと思われるものが少なくない。皇帝や権臣に媚び登用された昔の高級官僚と同様、当然のこととして出身重点大学、地縁や血縁まで含めた人脈が出来あがり、その下には又それを支えるピラミッド型の人脈が出来、更にその下にも同様な繋がりが出来るのは人間の性かもしれない。世に言う上海閥と技術系の最高学府である清華大学をもじった大清帝国なる言葉も明らかに参画出来ない人達の羨望や揶揄をも込めた表現であろう。
当然の事ながら、中国にあって最大且つ堅固を極める組織の代表が人民解放軍である。文化大革命が終焉したころ、積年の夢を果たし入営していた農村の青年達が、兵役期限到来を前になんとか軍に残ろうとして涙ぐましい努力、例えば夜中の3時ごろから兵舎の掃除を始めるというような話は日本にまで伝わって来たものである。当時、農村出身の青年にとっていわば唯一の身を立てる方法であったのであろう。しかも、軍に残れても高級将校になれた人材は殆どいなかったとの話であるが、一方、共産党幹部や将軍達の子弟は、例外なく要職にあると聞いている。確か「世冑は高位を履み、英俊は下僚に沈む」という言葉があったが。