日本の外交青書、中共の軍事力増強に「不透明な部分がある」と初めて言及

【大紀元日本3月29日】外務省は23日「2006年外交青書」の原案をまとめ、自民党外交部会で承認された。4月上旬に閣議に報告する見通し。

軍事費が18年間続けて2桁増加する中共政権の軍事力増強について、「国防費の増額や軍事力の近代化において、なお不透明な部分があることに引き続き注目しており、より一層の透明性の向上を求めていく」との認識を示し、透明度アップを求めている。外交青書で中国の軍事力の脅威を言及したのは初のことだ。

また、中国の「反国家分裂法」の成立について、台湾との関係を注目する必要があると指摘した。さらに、中共政権が反対している小泉首相の靖国神社参拝や、歴史認識、東シナ海のガス田開発などの問題について、「日中間に意見の異なる分野もあるが、これが日中関係全体の発展に影響を与えてはいけない」と強調、「大局的な視点に立って、未来志向の協力関係を強化していくことを呼びかけている」と示しながら、今後、「重層的な対話の枠組みで相互理解と信頼の増進に努める」と関係改善に前向きの姿勢を強調した。

日本を含めドイツ、インド、ブラジルの4か国(G4)が国連安保理の常任理事国入りするための決議案(G4案)が廃案されたことについて、「改革実現の機運をかつてなく高めた」と語り、廃案の原因分析や、戦術の反省がないことから、自民党内部から不満の声が出ている。

北朝鮮の核問題については「北朝鮮の核兵器保有は日本を含めた東アジア地域の直接的な脅威」と強い懸念を示し、「大量破壊兵器の不拡散は日本の安全保障に直結する問題」と説明、早急解決の必要性を強調した。

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