カナダ:ケベック州をカナダ連邦内の一国家へ=ハーパー首相

【大紀元日本11月29日】カナダハーパー首相は11月22日に議会で、ケベック州がカナダ連邦の1つのネイション(nation・国家)である臨時議案を下院に提出することを明らかにした。ハーパー首相の今回の動議は、ケベック連合が23日に予定していたケベック州の独立動議に対するけん制であるとみられる。

中央社によると、仏語圏のケベック州は1980年と1995年に独立をめぐって、2度にわたる住民公民投票が行われたが、失敗に終わった。しかし、2度目の投票結果は独立反対が50・6%と僅差で勝ち取った。これまでに、政治家たちは憲政が脅かされないように、または、選挙時にケベック州の得票を失わないために、過去十年間この敏感な話題を避けて来た。

ハーパー首相は今回の動議について、ケベック人がカナダにおける歴史的地位を認めることを強調し、ケベック連合が予定する動議は、すべてのケベック人を独立分子の追随者にさせるのであると指摘した。首相は、ケベック連合はケベック州をカナダから分離させ、独立国家を成立させる企みであると指摘した。

実際、ケベック州における連邦保守党の支持率は自由党およびケベック連合に圧倒されており、ハーパー首相の今回の動議は、仏語圏で独立を望んでいないケベック人をターゲットにしたとみられている。

現時点では、ハーパー首相の臨時動議は自由党および新民主党の支持を獲得している。自由党のグランム臨時党首は、国家統一を維持するために、各党は固執する意見を放棄し、首相の動議を支持すべきだと主張し、自由党の議員たちは23日に動議について検討すると明らかにした。また、新民主党は、首相およびケベック連合に対して、双方の動議を支持する意を示した。

一方、ケベック連合のドゥサイ党首は、ケベック州の国家地位条件を予め設定されるとして、ハーパー首相の動議は受け入れられないとした。

ハーパー首相は動議の中で、「ケベック人はカナダ連邦の中でネイション(nation・国家)を成立する」の表現は非常に曖昧摸糊で不明瞭であることを明らかにした。なぜなら、ネイションは「国家」でも「民族」でも、または、「友好国」でも解釈できると説明し、カナダ国内の先住民たちのことも、ネイションと呼ばれていると強調した。ハーパー首相が投げかけた「ネイション」についての定義は、議会での論議の結果を待つしかないのだ。

仏語圏のケベック人は「ネイション」を「民族」と理解することが一般的であるに対して、英語圏のカナダ人は「ネイション」がより「国家」に近いと考えている。

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