【中国「宋代四大書院」】白鹿洞書院掲示の教え④

【大紀元日本2月6日】江戸に幕府が開かれたのが1603年。シェークスピアが、ハムレットを完成させたのが1602年。かくして江戸の朱子学をめぐり、多くの悩めるハムレットが登場する。中国誕生の朱子学は日本においても、そのままではいられなかったのである。

ハムレットの名せりふ「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」は、人類の内面に初めて兆した自由な、あまりにも人間的な意志の決断の迷いの表明である。この意志の自由が、人類の内面で自覚的に体験され始めたことを、ハムレットは告げる。神の摂理に代わる合理精神を手元へと引き寄せて、朱子学がこの迷えるハムレットに時代に即した手当てを施す。朱子学がもたらした理学の体系は、教えではなく学として人間の内面に、良心に代わるイデオロギーの正当性をもたらした。

朱子学がもつこの体系的な科学性が、統治の学として徳川幕府に援用された理由でもある。日本の神道も、国学も、古学も、仏教もこの科学性と一旦は対峙することになる。悩める日本のハムレット達の格闘が、朱子学をめぐって始まったのである。やがて宿命のライバル陽明学も、この格闘に参戦し日本精神の維新に向けて激しく炎上した。

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