靖国神社問題

【大紀元日本3月11日】諸子百家の内、鬼谷子に始まる権謀術数は中国思想史の中でも特異な地位を占めるが、合従連衡や遠交近攻、或いは夷を以って夷を制す等、後世の外交政策に数々の影響を及ぼしたのは周知の事実である。

最近中国の要人が来日するとか、中国の要人が日中友好を強調する等中国政府の対日本政策は大幅に修正されたように見える。勿論、靖国神社については例外なのか切り札なのか何時でも使えるカードとして温存しているようにも見える。如何にも筋が通っているようにも見える反面、どうも釈然としないのは筆者だけではあるまい。今や世界の工場ともてはやされ進出する日系企業も後を絶たない。既に世界の外貨準備高だけを取っても日本を抜き世界一、自動車生産台数も日本を越え、粗鋼生産高では日米合算よりはるかに多く群を抜いた存在でもある。人工衛星の破壊実験や新型戦闘機の就役、原子力潜水艦、或いは大陸間弾道弾等、軍備増強や兵器の開発も諸国の警戒感を招いている。日本近海での中国海軍の動きも相変わらず活発と聞く。

あの激しかった反日運動もつい先日の様に思えるが、一説では官製デモだったという話もあるし、公安や人民警察の人達が参加していたという説まである。少なくともテレビで視聴した範囲では、整然と並んだ武装警官の隊列やカメラを前に特に顔を隠しもせず投石を繰り返すデモ参加者の姿が印象的であった。しかも大勢の警官が隊列を組んで整列はしているが、デモ参加者がその頭越しに投石しているのに一向に制止しようともしない情景は如何も不自然ですらあった。異常なまでに統制の強い国家で組織的な反日デモだけが同時期に全国でいくつも発生したのはどういう理由なのか。インターネットすら厳しく管理されている中国で、そこまで自由なデモが認められたとはとても思えないのだが。矢張、客観的に見ても一種の当局容認のデモであったことに誰も異論はなかろう。まして、破壊された公館や施設に対する修繕費用等についても公式には一切遺憾の意を表明せず、後日密かに現状復帰費用を支弁する等、姑息な方法をとったのは記憶に新しい。その結果、政冷経熱だとか経済界から関係改善を望む声が大きくなったのは隠しようの無い現実であった。オリンピックで日本の競技者が妨害される可能性すら論じられたようだ。

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