西太后お気に入りの薬膳

清朝の光緒6年(1880年)9月、西太后の慈禧は、胃腸の調子が悪くなり、食欲がなく、腹部が脹れて吐き気がし、便通不良、気分も憂鬱になっていた。侍医たちは真剣に診察したあと、脾胃虚弱(胃腸の機能低下による消化不良)だと診断した。

 この診断に基づいて、侍医たちは一つの食養生の処方箋を作った。処方の中身は、茯苓、オニバスの実、蓮子肉(蓮の実)、ハトムギ、山薬(山芋)、白扁豆、麦芽、蓮根の8種類の生薬であった。これらの生薬の粉末に白砂糖を加えてカステラのような蒸し菓子を作り、「健脾糕」(けんぴこう)と名づけた。

 西太后は、この「健脾糕」を食べてから、すっきりと元気になり、しかも、薬のようなものでなく、美味しいお菓子として食べたので、とても気に入った。そして自らこの「健脾糕」を「八珍糕」(はっちんこう)と名前を付け替えて、病気があってもなくても、間食のお菓子として食べた。

 処方の中の生薬は、全部食事として食べることができるし、胃腸機能改善に効果的なものである。胃腸が弱い人には、養生薬膳の一品として、最適である。