無機物にも生命の特徴を発見=物理学の研究

【大紀元日本8月27日】このほど、ドイツ、オーストラリア、ロシアの物理学者が、物質の形態を研究する中で驚くべき現象を発見した。特定の条件下で、無機物生命体に類似する物質構造を形成することができるし、生命体のように分裂、複製、変遷することもできるというもので、今までの生命に関する定義に大きな衝撃を与えた。

通常、人々の生命に関する概念は、動物、植物、微生物のようなものに限られている。つまり、炭素を主体として構成された核酸、蛋白質などを指している。しかし、研究者たちは、プラズマ(Plasma)と呼ばれる物質態の中で、粒子が自発的にDNAのような二重らせん構造を形成できることを発見した。

プラズマは宇宙の至るところに存在

プラズマは、物質の固態、液態、気態以外の第4態である。プラズマは、多くの人にとってまだよく知られていない概念だが、実は、宇宙の中の物質はほとんどプラズマの状態で存在している。

プラズマは、自由電子と帯電しているイオンを主要な成分としている物質形態であり、「超気態」とも呼ばれている。もし、気体を加熱し続ければ、分子が原子に分解され電離が発生する。これによって、イオン、電子、中性粒子から構成される気体が形成される。このような物質態をプラズマと称する。

プラズマは日常生活の中でよく見られる。たとえば、火炎の上部の高温の部分はプラズマ状態の物質であり、稲妻や、蛍光灯、ネオンの中の気体もプラズマ状態の物質である。

宇宙の中には、プラズマは更に広く存在しており、物質存在の普遍方式とも言える。たとえば、コロナ、超新星の遺跡、活動星系の核、緻密星、星系間の媒質などは、すべてプラズマ物質態のものである。

プラズマ内での物質の相互作用により、生命の特質が現れる

研究者はコンピュータを使った模擬研究で、プラズマの中の無機物質の微粒子が自発的にDNAのような二重らせん構造を形成し、しかも、時間とともに不安定な形式から比較的安定した分子構造に変わることを発見した。これは、電子の極性が粒子を組織化に向かわせ、低い混乱状態になることを促しているのである。

これらの自発的に構成されたプラズマ物質は、生命体に必要なすべての性質を持っており、故に潜在的な無機生命だと考えられている。「これらの無機生命は、自ら形成したもので、しかも、自ら複製し変遷することもできる」と研究者たちは指摘している。

生命に対する概念の変化

米国国家研究委員会は、最近報告書を提出して、科学者たちに「地球外の生命を研究するとき、いかなる既定の生命概念も持つべきではない」と提言した。従来、地球外生命の生物化学構造は地球上の生命と同じであると思っていたため、宇宙生命を探索する際、科学者の視野が非常に狭い範囲に制限されていたと、この報告書は指摘している。

さらに、この報告書では、宇宙の中で生命現象を探す際、「奇異な生命」、つまり、普段言われている生命の概念と異なる生命をも含めるべきであると提言している。

伝統的な観念では、宇宙の中で生命が存在するには炭素と水が必要だと考えられてきたため、科学者たちはいつも、その環境に炭素や水が存在するかどうかを強く意識してきた。

新しい生命の概念は、今までの生命に関する定義を変えなければならないことを意味しており、同時に、地球生命とまったく異なる形の生命が宇宙に存在していることを示している。

(大紀元記者・方洪)

 

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