【中国のことわざ】狡兔三窟
【大紀元日本10月18日】【狡兔三窟 Jiǎo tù sān kū 】危機に際し、身の安全を守るのがうまいことのたとえ。今では二つの意味がある。ひとつは事を処理するときに退路、余裕を考えなければいけないということ。もうひとつは、ずるい人は詭計が多く、防御線をいくつも設けているということ。
斉人の馮諼(ふうけん)は斉の宰相である孟嘗君の家の食客であった。ある日、孟嘗君は食客たちに、「誰か私の代わりに領地である薛邑に行って借金を取り立ててくれないか」と言った。馮諼が申し出て行くことになった。そこで、出発前に、「帰りに何か買ってくるものはないですか」と孟嘗君にたずねたところ、孟嘗君は「我が家に足りないと思うものを買ってきてくれ」と答えた。
馮諼は薛邑に行くと、債務者を集め、「孟嘗君が、お前たちの借金を取り消し、もう返す必要はないと言っていた」と伝え、さらに皆の前で借用書を燃やしたので、庶民は大いに喜んだ。馮諼が帰って来ると、孟嘗君は「借金を取り立てて、何を買ったのか」と聞いた。馮諼は「あなたの家に足りないものはない。ただ“義”の一文字が欠けている。だからあなたの言葉通り、借用書を燃やし、“義”を買って帰ってきた」と言った。孟嘗君は大変不愉快になり、彼に暇を出した。
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