中国伝統文化を披露する神韻芸術、見るに耐え難いのは誰か

【大紀元日本2月12日】すでに来日、今日東京の新宿で公演する予定の神韻ニューヨーク巡回芸術団は9日夜、ニューヨークのラジオシティーミュージックホールで新唐人全世界華人新年公演の最終回の幕を下ろした。1月30日から2月9日まで、中国旧暦新年期間中に上演した15回公演は、7万人近くの観客を迎え、特に終盤3回の公演は連続して満席となり、数多くの人気公演を経験したラジオシティーでも珍しい記録を残した。この絶大な人気は、観客の口コミ効果のほか、ニューヨークタイムズ(NYT)2月6日付トップを飾った同公演を批判した記事が逆に集客の効果を上げたと主催側の新唐人テレビ局はコメントした。

「一部の人にとって見るに耐えない中国文化を垣間見る」(A Glimpse of Chinese Culture That Some Find Hard to Watch)と題するニューヨークタイムズの同記事は、神韻公演団体と法輪功との関係、法輪功が受けた迫害を表現する演目を問題にして、出演団体を批判している。公演中、法輪功迫害の演目が上演されると、途中で退場した中国人観客もいたという。

NYT紙のエリック・コニスバーグ記者は、ネガティブな批判と、ひねくれたスタイルの報道が特徴。かつて児童が銃殺された事件報道で、被害者について「見た目が影響しただけ」とのコメントが批判を浴びた。

皮肉にも、同記事が新聞に掲載されると、7,8,9日の最終3日間の公演が連日満席となった。同記事を読んで好奇心がそそられて見に来た人も多くいるようだ。ニューヨークトップアーティスト及びVIPから一般観客まで、好評を得た神韻芸術団が表現する中国伝統文化精神に対して、「壮観、壮大、いくらの言葉でも足りない美しさ」と絶賛する声が後を絶たない。

2月9日、公演最終日に、会場ロビーを埋め尽くす観客(大紀元)

最終公演を見た観客、ニューヨーク・ブルックリンの運送会社CEOであるアルバートさんもニューヨークタイムズの記事を読んだ一人。「公演に来てとてもよかったと思う。ニューヨークタイムズの記事は、私はまったく相手にしたくない。ここはアメリカだ。みんな自分で考えて結論を出す自由がある」という。

東芝米国支社のトレーニング部門マネージャ、ゲーリー・ウエアさんは家族三人と2月9日午後の公演を見た後、「演目には、ネガティブなメッセージは全く入っていない。法輪功迫害の事実は公表すべきであり、世界に知らせるベキだ。私は芸術を通して人に真相を伝えることがまったく不適切だと思わない」。夜の最終公演も友人に勧めたいという。

しかし、ニューヨークタイムズの記事が書いたように、神韻芸術団の公演を見るに耐えないという人は確かにいる。2月7日、一部の内容が削除された同記事の中国語訳が早速中国新華社のウェブサイトおよび海外新中共メディアに掲載され、「法輪功の海外大失敗」の例として神韻芸術を攻撃した。

中国当局及び在外の大使館や領事館による、神韻芸術祭への攻撃は2006年から絶えることがなかった。ニューヨークを拠点とする神韻芸術団は、2004年に海外在住の中国人アーティストらにより設立された。中国5千年の伝統文化の精神「天を敬し命を知り、徳を重んじ善を行い」を再現し、中国大陸で破壊された伝統文化を復興させることを目指すという。芸術団が、中国古典舞踊をメーンの表現形式にし、ハイテクの3Dデジタル・スクリーン技術を駆使し、癒し効果のある伝統音楽と明快な色彩の舞台イメージなどの形式を通して各々のストーリー性ある演目の舞台芸術を創出し、2006年から世界巡回公演を始めた。アーティストの中には、中国で迫害されている気功団体法輪功の学習者も少なくない。

2007年の巡回公演は、韓国では公演の直前に、会場側が中国大使館の圧力を受け、会場をキャンセルした。

2007年クリスマス期間中、米国シカゴ市長が中国大使館から、公演を見に行かないよう圧力をほのめかす書状を受けた事件があった。同市長は書状をメディアに公開し、更に公演を賞賛する行動を取った。

今年、巡回公演の規模は2007年より3倍の規模に拡大、北欧及び東ヨーロッパの多くの都市も行く予定。共同通信の報道によると、駐ストックホルムの中国大使館当局者がこのほど、「法輪功」との関係を理由に、「神韻芸術団」が3月下旬に予定している公演の中止をストックホルム市文化局に求めた。実施すれば中国とスウェーデンの関係が悪化すると警告したという。市文化局幹部は中国大使館側からの要求を拒否した上で「逆に好奇心を駆り立てられ、トップの局長自ら見に行きたくなるかもしれない」と語った。

神韻11日間15公演で7万人を動員した神韻新年公演、ラジオシティミュージックホールの歴史的な記録を残した(大紀元)

2月9日、最終公演のフィナーレで拍手喝采する観客(大紀元)

このような妨害は、日本も例外ではない。先月、東京大学の「中国留学生学友会」から学友宛のメーリングリストに、公演を宣伝・観賞しないようにと通達するメールが流れている。公演は法輪功と関連を持ち、「下心がある」、中国人留学生たちは同様の活動に参加せず、宣伝しないこと、そして「公演の真相を周囲の友人たちにも伝えよう」という。

東京大学で訪問学者として来日したばかりのYJさんが、メールをもらった際、日本でも法輪功が禁止されていると思い恐怖を覚えたという。YJさんの弟は、法輪功学習者であるため10年の判決を受け、今でも天津で監禁されている。

東京大学理学系研究科卒業生の張YWさんによると、中国留学生学友会は中国大使館から金銭的な援助を受けており、中共幹部と裏で強い繋がりがあるという。

日本公演の主催側の新唐人テレビ局によると、2月ごろ、一部の都市では公演会場を含めて公演を協力する関係者も、中国大使館から電話を受け、法輪功と関連があるから、公演に対する支援を中止するよう要求されたという。

東京での初公演は、今日午後7時、新宿にある東京厚生年金会館で開かれる。一連の中国製食品安全問題と最近の毒餃子事件で、日本人は最近「中国」という言葉にアレルギー症状を示しているが、本物の中国は中国大陸以外にあることが、今回の公演妨害事件でもおわかりいただけるだろう。中国大使館の妨害が逆効果を生じ、中国伝統文化の壮大出演に満員の観客を迎えるように祈る。

(報道・肖シンリ)