中国当局、暴走するナショナリズムに歯止め

【大紀元日本4月27日】中国国内のブログでこの頃、米デューク大学中国人留学生・王千源さん(グレース・ワン)に対する嫌がらせや誹謗中傷などの過激な言論が削除され始めている。報道によると、ナショナリズムの暴走に歯止めをかけるため、大陸のネット管理機関は検索エンジン企業らに対して、関連する伝言やブログの削除を求めたという。

ラジオ自由アジア(RFA)によると、チベットへの武力弾圧事件に関連し、大陸の民衆は王千源さんの嫌がらせや攻撃、仏企業カルフール社への不買運動とそれに伴う金晶さんへの非難、CNN報道を非難したことに対して、中国当局は民衆の怒りを抑えようとしているという。中国外交部スポークスマン姜瑜氏は22日に、中国民衆および高校生たちは自発的に仏製品へのボイコット行動を取っているが、国民は理性を持つよう示した。

海外メディアによると、中国当局から国内のネット上の過激な伝言を削除するようネット検索エンジンなどの企業に求めているという。例えば、「王千源の言動がもたらした悪い影響は、ラサ市の暴徒らと同様な行為を促している。何故彼女を法律に則り裁かないのか。彼女を無期懲役または10年以上の懲役を与えるべきだ」「王千源の目標は米国のグリーンカードだ。人々は柴玲(天安門事件当時、学生の民主化運動を率いた女子学生リーダー)を軽蔑しているが、それと同じように王千源を罵るべきだ」などの過激な発言を削除するよう求めた。

これらの非難に対して、王千源さんは一笑に付した。王さんは、「自分はこのように同じ国の人を批判しない。あまりにも恐ろしい」と語り、北京政府のやり方自体が愚行であるとし、王さんの個人情報をCCTVのホームページに掲載したことこそ、中国政府のイメージダウンにつながっているとした。

一方、米デューク大学の王霊智教授は、中国民衆がCNNなどを非難している動きの中で、海外の華人は国際社会の民主・自由に対する反発だと分析した。王教授は、国際社会が中国共産党(中共)に反対する力および中国国内で生じた愛国感情により、中国が国際社会への開放速度を緩め、強いては国際社会に対して開放する門を閉じてしまう可能性はある。

王教授は少し前に新華社に投書し、五輪トーチリレーが妨害されたことについての見解を示したが、掲載された文章内容は歪曲され修正された。王教授は何度も新華社に対して訂正するように求めたが、未だに回答はないと指摘した。

(翻訳/編集・余靜)
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