地震活発時期に入り、震災対策急務=中国地震専門家

【大紀元日本5月30日】ここ10年間で特に環太平洋地震帯および地中海、ヒマラヤ山脈地震帯において、マグニチュード(M) 7以上の強い地震が頻発しており、2001年以降、M8以上の世界的規模の大地震が6度も発生したことは、新たな地震活発時期に入ったことを示しているという。中国科学院(中科院)研究員がこのほど研究報告で明らかにした。

中科院研究員・滕吉文(トン・ジーウエン)氏=地球物理学者=は5月24日、北京で開かれた「中国科学・人文論壇」(主催・中科院)で、M8・5以上の地震が、1900年以降、1920年、1933年、1950年、1960年、1964年、2004年、2005年に世界各地で起きた。その内、2004年12月にスマトラ島西部に発生したM9・1の大地震がここ40年間で最大の地震。地震活発状態が世界的に新たな時期に入ったことの表れだと発表した。

滕氏は、中国は世界において2つの最大地震帯、すなわち、環太平洋地震帯および欧亜地震帯の間に位置し、太平洋プレート、インドプレートおよびフィリピン海プレートの動きに影響されて、世界で最も地震の多い国で、最も深刻な地震が発生する場所だと指摘した。

滕氏によると、東南アジアおよび周辺各国が強い地震発生地区であるとし、中国西部および近辺の大地震の発生する大三角地区はすでに活発な状態になっていると指摘した。さらに、ここ数年間、M7・8以上の大地震の発生頻度が増加しており、中国は2つの大地震発生地帯に位置し、周辺の地震多発地区に囲まれていることを加えると、大地震のもたらされる可能性が大きいと警告した。

滕氏はまた、難題とされる地震予報について、①地球内部への探測不能②大地震は非頻発性である③地震に関する物理的過程の複雑性の三大難点を指摘したが、一方で、地震の予報は可能であることを強調した。地震予報方法として、科学技術の進歩、地震前兆観測および実際発生時の規則性の識別、大地震発生の生成・発展および環境構造において細部にわたるメカニズムの研究を強化することにより、予報は可能であると強調した。さらに、あらゆる方面における情報収集・総合研究、それに国内・国際社会との協力を強化することにり、地震予報の可能性は高まると示した。

滕氏は、地震予報が難しいことから、地震・災害の予防対策が目下の急務だと指摘し、地震予報は地震予防・耐震対策の両方でその実効性を高めることで、初めて負傷者や災害および経済損失を最大限に減少させることができると示した。

(翻訳/編集・余靜、編集・藤川)
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