「誠実」は信頼をかち得る

誠実」とは一体何だろうか。簡単に言えば、をつかない、真実の事を述べて忠実に他人に接し、間違いを犯したら、勇気を持ってそれを認めること、などが挙げられる。この全てを実行できる真に「誠実な」人になるのは非常に難しいが、それができれば人々から絶大な信頼を得ることができるだろう。

 日常生活の中でも、私たちは誠実を選択するか、それとも自分を守るために嘘をつくか、といった問題に直面することがある。徳の高い人格を目指すなら、いつでも、どんなささいな事でも誠実でいられるかいられないかの場面に出くわすが、その時に誠実であることを選択できれば、ひとつの試練をクリアーしたことになる。

 私自身の話を例にとると、ある日曜日のこと、父と母は出かけていて、家には自分ひとりだった。私は一階でボール遊びを始めた。すると、ボールが父が金門マラソンでもらった記念品の酒瓶の方へ飛んで行き、割れてしまった。ちょうどその時、父が帰ってきた音が車庫から聞こえてきた。私はとても慌てて「どうしよう、パパが帰ってきた!早くいいわけを見つけないと」と考えた。

 言い訳を思いつく間もなく、父は居間に入ってくると、割れた酒瓶を見て顔が一瞬厳しくなった。「一体どうしてこれが割れているんだ?」と私に問いただした。私はその時、何を言おうか迷っていたが、一瞬母の言葉を思い出した。「うそはつけばつくほど雪だるまみたいに大きくなるものよ。一旦うそをつけば、それがばれないように、またうそをついてしまう。きりがないものなの」。

 私は、とっさに父に謝った。父はそれ以上叱ることはなかったが、罰として半年分の小遣いはなしということになった。私にとっては重い罰だったが、かえって気分はすっきりとしたのを覚えている。

 よく人は、「人を騙せるのは一時に過ぎないが、誠実さは永遠に続く」と言う。嘘はいつか必ず暴露されてしまう。人間として、誠実でなければ他人から軽蔑され、誰からも相手にされなくなるだろう。一回嘘をついたら、信用を挽回するのは難しい。一時、自分の利益を守るために嘘をついても、その後大きな代償を払うことになる。誠実さを持って他人に対応することは重要であり、そしてもっと重要なのは、言動を一致させることだと私は思う。

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