四川大地震、児童死亡者1万9千人=中国政府が公表

【大紀元日本11月24日】北京当局は11月21日、今年5月に起きた四川大地震で1万9千人の学生や児童が死亡したことを初めて承認した。これと同時に、四川省北川県のある学生の家族代表が家族抗議を組織した疑いで当局に逮捕、起訴された。弁護士によると最高5年の判決の可能性があるという。

中国共産党政府サイドはこれまでずっと地震による死者あるいは行方不明者は9万人と伝えてきたが、死亡した学生に関するいかなる情報も発表したことはなかった。四川省常務副省長・魏宏氏は21日、中国国務院情報弁公室の定例記者会見において、当局は詳しい事実の確認中であり、まだはっきりとした数字は出ていないが、公表できる数字として1万9千65人の学生や児童の死亡を伝えた。

魏常務副省長によると、被災者数百万人が綿入れ布団を必要としておりこれがなければ冬は越せず、住居も必要としているという。同氏はさらに、たとえ人々が既に数百万着の綿入れや衣服の寄付を受け取っているとしても需要はさらに多くなるだろうと話している。

学生数万人の死は当局には敏感な政治議題となった。子供を失った父母たちは抗議を起こし、当局に調査を要求した。だが多くの家族は、当局が恐喝や金銭でこの事について沈黙させようとしたことを訴えている。

四川大地震発生後、多くの死亡した学生の家族により、校舎手抜き工事に対する不満を示す抗議デモが発生している(Getty images)

四川大地震で大きな被害を受けた北川県曲山鎮小学校の遺族代表である何洪春さんは遺族を組織し、保険会社と問題を起こした疑いで、社会撹乱公共秩序罪に問われ9月27日公安に連行された。何さんの家族は1カ月後、何さんが正式に逮捕され、この件はすでに検察院に調査が提出されているという北川県公安局の通知を受け取った。何さんの弁護士はこれが地震で死亡した子どもたち遺族が起こした最初の刑事事件で、最高禁固5年の判決の可能性があることを伝えている。

ある弁護士によると、最近綿陽市看守所に向かい、3カ月近く拘束されている何さんを探したが何さんは社会を撹乱するいかなる行為もしていないと考えているため、罪を認めず逮捕書類へのサインも拒否しているという。

この他、綿竹市富新二小学校の死亡した生徒の遺族が、手抜き工事により校舎が倒壊し児童百人以上が死亡したとし、遺族代表4人が9月末に弁護士との協議のため上海に赴いたが、当局の妨害に遭っている。遺族代表である王さんによると、4人は最終的に上海に到着し、弁護士を雇った。すでに弁護士は手続きを処理しているが、この件は依然として綿竹市人民裁判所に提出されていないという。

(翻訳・坂本)
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