四川大地震の後、胎児死亡が続発 仮設住宅が原因か

【大紀元日本9月13日】中国語ラジオ「希望の声」(Sound of Hope Radio)によると、去年5月に約8万人の死者を出した四川大地震の後、仮設住宅で暮らす妊婦約100人以上が、胎児死亡と診断されていたことが分かった。

医師と妊婦の家族らは、仮設住宅の建材に含まれている高濃度のホルムアルデヒドが原因とみている。これに対し、四川委員会宣伝部は胎児死亡についての報道を一切禁止するよう通達を出した。

地震の被害がひどかった四川省都江堰市では、家屋を失った人たちが今でも仮設住宅での生活を続けている。一部の住民は、四川大震災で子供を失い、仮設住宅に移転した後妊娠している。今年1月に行われた政府の調査によると、最も被害がひどかった北川地区では、1332世帯がまた子供を持つことを希望している。

子供を震災で失った李さんは、「私は流産をした。同時期に妊娠した7人中、5人が死産だった。医師は、仮設住宅のホルムアルデヒドが原因である可能性が高いと言っていた」と話す。

仮設住宅に使われるホルムアルデヒドは、濃度が基準値を上回っているといわれている。ホルムアルデヒドを多量に使用することで粘着力が増し、板材の強度も上がるが、人体への影響も増す。遼寧省瀋陽市婦人小児医院長・周衛衛氏の説明によると、ホルムアルデヒドは、奇形児を生み出す最も危険な因子のひとつ。妊娠5カ月頃にホルムアルデヒドの影響を受けると、胎児は先天性の心臓疾患を持つ可能性が極めて高くなる。震源地の汶川地区のある住民が、仮設住宅のホルムアルデヒド濃度は国内基準値の0・12ppm/㎥を大幅に超える0・6ppm/㎥であるとネットに掲載し、波紋を呼んだ。

四川省当局は、ホルムアルデヒドや胎児死亡についての報道を一切禁じている。

(翻訳編集・李露)

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