<在日中国人の目> 柵を乗り越える中国人と線1本で並ぶ日本人

在日中国人はいつも何かと肩身の狭い思いをしている。15年前に初めて日本に来た時は、お金の価値の違いに驚き、経済的に肩身の狭い思いをした。その後、中国の大都市が発展しその差も縮まったように見うけられたが、今度は中国人の犯罪が日本で社会問題になり、メディアにも度々取り上げられた。さらに、毒餃子事件に食品農薬問題、最近では万博のPRソングのパクリ問題をきっかけに、中国のパクリ大国の実態がまたもや取り沙汰される…。そのホットな万博と言えば、今や各国のパビリオンの中身よりも中国人のマナーの悪さが世の中の注目の的となっている。罵り合いや奪い合い、傍若無人の割り込み、中国で育った自分でも目を覆いたくなることばかりだ。

 何も万博だからの割り込みではない。中国では「列のある所には割り込みがある」と言っても過言ではない。4、5歳の頃に経験した「割り込まれ事件」は今でも記憶に新しい。70年代の中国では肉や魚が貴重で、売店に食料品が入るや否や皆が集まってくる。ある日、とても新鮮な魚の入荷があったと聞きつけた親は私と兄をお使いに行かせた。長い列だった。一番後ろに並んだ私達を尻目に、1人、また1人と列に割り込んでいくのではないか。割り込まれた人から罵声が上がり、列も乱れ出した。そんな大人達は大きな魚を次々と買って帰り、やっと私たちの番となった。「ごめんね、売り切れちゃった」と店の人の一言にガックリと肩を落とした兄と私は、空っぽのバケツを下げて帰った。「そんな時に黙って突っ立っている人なんかいるものか」と親にも怒られてしまった。

 誤解しないでほしい。私の親は決して特別ひどい親だというのではない。むしろインテリであり、その店も大学構内の店で、買いに行く人たちも皆大学の先生かその家族だった。取りに行かないと、取られてしまう。そんな「苦い」経験は誰もが皆持っているのだ。物が足りない、チャンスがない。平等なんてそんな甘っちょろいものはない。誰も自分を守ってくれないのだから、自分でそれを取りに行くしかない。そんな危機感の中を生きてきた人々は、たとえ平行棒のような高い柵があっても、ヒョイっと乗り越え割り込んで行く。そして、実際に危機が迫っていない時でも、体に深く根付いてしまった悪い習慣が、思わず顔をだし同じ行動を取らせてしまうのだ。

▶ 続きを読む
関連記事
スマホやパソコンで目を酷使する現代。80歳を過ぎても老眼鏡なしで小さな文字を読む中医学医師が、目を守る習慣を紹介します。
筋トレ初期の筋力向上には、筋肉の成長だけでなく神経系の適応が関わります。視覚化や自己暗示、使う筋肉への集中が、脳と筋肉の連携を高める可能性があります。
下半身の筋力は、歩行や転倒予防、自立した生活を支える大切な土台です。脚力を確認する簡単なテストと、臀部・脚を鍛える4つのエクササイズを紹介します。
便秘対策の定番として親しまれてきたプルーン。実は腸内環境だけでなく、骨や心臓の健康にも役立つ可能性があります。効果を引き出す食べ方や適量、意外な料理への活用法まで、専門家が詳しく解説します。
コミットメントは不自由ではなく、関係を育てる土台になることがあります。意見の相違から逃げず、相手を理解しようとする姿勢が、より深い安心感と絆を生みます。