『アバター』映画監督「良い映画は人の潜在意識にアプローチする」

ハリウッドで有名な映画監督のジェームズ・キャメロン(James Cameron)さんは、ワシントンDCで開催された「地球の日」創設40周年イベントに参加した際、大紀元の取材に応じた。キャメロンさんは大ヒットした映画『タイタニックTitanic)』と『アバターAvatar)』が見事に成功した秘訣、また『アバター(Avatar)』を製作するきっかけなどを心置きなく語ってくれた。

 キャメロンさん(1954年8月16日生まれ)はカナダ出身の有名な映画監督、脚本家、そして映画プロデューサーである。アクション映画とSF映画の製作に優れた才能を発揮し、1984年に自ら書いた脚本を映画化した『ターミネーター』で一躍有名になった。また、世界最高の興行収入を記録した映画『タイタニック』(1997)と『アバター』(2009)も、彼が監督を務めた。

 映画『アバター』を製作したきっかけ

 キャメロンさんは小さい頃、カナダのナイアガラから1マイルほど離れたところに住んでいた。15歳の時、第一回目の「地球の日」に参加してから、環境保護への意識が高まり始め、自然環境に関心を持つようになった。

 彼は、「人は一生都会で暮らしていると視野がとても狭くなります。もし、大自然ともっとふれあい大自然の神秘さと美しさを知ると、失ったものへの価値がわかり、きっと使命感を感じるようになると思います。このような価値観と理念が次世代の教育にとって、極めて重要なのです」と語った。

 また、「映画『アバター』はこのような認識に基づいて製作したのです。人々に自然環境の悪化がもたらす危険を知らせたかったのです。しかし、映画では具体的な行いを教えるのではなく、人々に違う角度から物事を認識させることに役立つと考えました」と映画『アバター』を製作した理由を話してくれた。

 映画を成功に導いた秘訣とは

 映画を成功に導いた理由に質問が及ぶと、キャメロンさんは次のように答えた。「映画『タイタニック』と『アバター』の共通点はストーリーがとても感動的で、主人公が皆危険に陥り登場した人物は人々に好かれます。タイタニックの沈没は階級制度の壊滅を陰に示唆し、アバターは滅亡に瀕する星に関する物語で、それらの自然と人類の未来に関心を持つ人たちがとても惹き付けられるのです」

 また、彼は『アバター』の成功の秘訣を次のように語った。「アバターの成功はとても面白いと思います。私は、映画の役割は、如何に人々の思想を変えるかということではなく、いかに人々に自分たちの持つ潜在意識を認識させるかということだと思います。もっと大自然を尊重し、大自然の限界を知るということは、理性ではあまり認めたくなくても、われわれの潜在意識でははっきりと分かっています。そして人類全体がこのことを知る必要があると思います」
 

(翻訳編集・李頁)