防災訓練、通路の大半は幹部の視察用 「やらないほうが助かる」=中国

【大紀元日本5月28日】中国の防災の日に当たる5月12日、雲南省昆明市の小中学校で地震防災訓練が行われた。ある中学校の訓練では、主要な6通路が視察のために訪れた幹部らに割り当てられ、残りの2通路が生徒用だった。全校生徒は10分かけて一階にたどり着いたという。「こんな防災訓練なら、やらないほうが地震のときに助かる可能性が高い」と5月26日付け「中国青年報」は同校生徒の感想を掲載している。

同校生徒によると、「地震警報が鳴ったので、教室を出てから主要通路で降りようと思ったら、別の通路に誘導された。よく見ると、主要通路には政府の視察幹部が立って談笑していた。全校の学生は、わずか2通路で降りなければならず、危うく転倒事故が起きそうだった」という。

「中国青年報」の記事は「防災訓練に、なぜ幹部を招く必要があるのか。危機管理の意識が希薄だ。視察するなら、邪魔にならないところで見るべきであり、わざわざ通路を割り当てる必要があるのか」と疑問を投げかけ、「生徒の人命よりも幹部が優先される意識を改めなければいけない」と結んだ。

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