千年経っても崩れない 万里の長城の秘密は 「もち米」

【大紀元日本6月10日】最新の研究によると、現在のアジア人が主食の一つとしているもち米は、中国古代において強度の非常に強い工業モルタルとして使われていたことがわかった。またこの種類のモルタルは、現存している古代建築を修繕する上で最適な材料であるという。

2日付の中国経済ネットの報道によると、中国の科学者Bingjian Zhang教授ら研究グループは、1500年前の古代中国の建設物の施工にもち米のスープ(お粥)と通常使うモルタル(※)を混ぜ合わせた強度の非常に強い「もち米モルタル」が使われていたことを発見した。これは通常使うモルタルの成分と高温まで加熱した石灰を水の中にいれることで出来上がる「石灰岩」になるという。

もち米が建築物の修繕に役立つことを確かめるため、研究者グループは石灰モルタルにさまざまな比率でもち米を加え、その性能を伝統的な石灰モルタルと比べてみた。その結果、もち米スープを加えた石灰モルタルの性質はより安定しており、機械強度も強く、ほかの物質と混ぜたときの安定性もより強かった。これらの特徴から、古代の石造建築物を修繕する上でもち米は適切な材料であることが判明したという。

もち米モルタルは、有機原料と無機原料を混ぜ合わせて作った世界で初めての複合モルタル。これは、石灰だけ使用したモルタルよりも強度が強く、耐水性がある。張教授は「もち米モルタルは歴史上最も優れた技術の一つである」と話している。

中国古代では、墓穴や宝塔、城壁などの修繕にもち米が利用され、その中の一部の建築物がいまだに残っている。一部の建築物は非常に堅固で、現代のブルドーザーで崩すことも難しく、高い耐震性もあるという。

また、もち米モルタルの研究の結果、でんぷんに含まれる多糖類「アミロペクチン」が建築物に強度を与える主な成分であることがわかった。張教授は「古代のモルタルは特殊な無機有機複合材料であり、無機成分の炭酸カルシウムと有機成分のアミロペクチンから組成されている」と語った。

※モルタル=レンガと石、およびその他の建築材料の間のすきまを埋めるペースト状の建築・工業材料のこと。

(翻訳・編集 李英淑)

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