<中国人が見た日本>日本の街頭にはゴミ箱がない!

【大紀元日本8月24日】週末に新宿や秋葉原などの繁華街に出かけると、多くの中国人観光客に出会う。デパートや大手の電気店に入ると、必ず耳にする「店内はタバコ禁止」の中国語アナウンス。多くの店の外には「中国語OK」の看板、一歩入ると中国人だとわかる名札を付けた店員が出迎える。中国人観光客が増えていることはすでに肌で感じとれるようになった。

そして、多くの中国人観光客が中国に戻った時、カートいっぱいの電気製品やブランドバッグと一緒に、日本で感激したこと、感想などを持ち帰る。彼らは新聞やインターネットで自らの日本の印象を公開し、日本について考えるきっかけを与えている。以下は、広東省地方紙・羊城晩報に掲載された「日本の印象」という文章の1つである。

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「車内の清潔を保つため、各自ゴミ袋をご用意ください」

観光バスに乗ったとたんに、ガイドさんの声が車内に響いた。またか。乗るたびに言われる言葉だ。そしてガイドさんの話が続いた。

「皆さん、お気づきですか。日本の街頭にはゴミ箱がないんですよ」

座席に腰を掛けたばかりの同行者たちが一斉に目を外に向けた。本当だ。ゴミ箱がない。どうしてだろう。日本人はお菓子を食べたり、飲み物を飲んだりしないのか。なぜゴミがまったく出ないのか。

「これは日本人の理念ですね」ガイドさんが答えるかのように話を続けた。「街自身はゴミを出しません。それは人間が作り出したものだから、出した人が責任を持って処理しなければなりません。持ち帰って分類をして回収してもらうのです。皆さんも車の外で出たゴミはここまで持ち帰り、車の中にある自分のゴミ袋に入れましょう。それをホテルに戻ってからゴミ箱に捨ててください。ご協力ありがとうございます」

「ゴミ箱があった!」ガイドさんの話が終わるや否や、誰かが大きな声で言った。

「それはゴミ箱ではなく、タバコの吸い殻入れです」ガイドさんは外を確認もせずにそう話した。

確かに吸い殻入れだった。日本では公共スペースでの喫煙が厳しく制限されているため、我慢できないスモーカーたちが「吸い殻入れ」と呼ばれる20センチ四方の金属スタンドを囲み、黙々とタバコを吸う光景をよく見かける。その吸い殻入れは消煙構造となっており、小さな穴が多数開いているが、タバコの吸い殻は入るもののゴミは入らないという優れものだった。さすがだ。

そういえば、日本のきれいな街頭で専門業者が清掃しているのを見たことがない。唯一見かけたのは、東京ディズニーランドの中だった。そこで働く彼らのユニフォームには多くのポケットがあり、その中には各種の道具が揃っている。洗剤片手に働く彼らの手にかかれば、園内のゴミ箱でさえもピカピカに光るのだ。

こんな「伝説」を聞いたことがある。東京オリンピックの開幕式の後には、会場に紙くず1つ残っていなかった、と。それは日本人がすべてゴミを持ち帰ったからだという。

アジア競技大会はもうじきここ広州で開かれる。我々にもそれができるのだろうか。

(翻訳編集・張YH)