前国家副主席の息子、28億円豪邸の改築申請 シドニー市議会、却下

【大紀元日本10月16日】シドニーオペラハウス、ハーバー・ブリッジ、シドニータワー、さらに首相公邸を見下ろすシドニーの高級住宅地ポイントパイパー。2008年、ここにある有名な豪邸クレイグ・ワイ・モルCraig-y-Mor)を、中国の国家副主席曾慶紅の息子夫婦が手に入れた。購入額は3240万豪ドル(約28億円)に上り、オーストラリアの不動産取引史上3番目に高い価格となった。2年後の現在、曾夫婦が500万豪ドルを投じてこの豪邸を取り壊し、建て替えようとしていることで、現地の話題を呼んでいる。

一方、中国国営通信社の中国新聞社が11日、同ニュースを報道し、中国国内でも関心を集めている。太子党のスキャンダルを公に報道することは異例であり、同名である不動産の富豪が最近香港で逮捕されたニュースも国内で伝えられており、曾慶紅への打撃を強化する動きとの憶測が飛び交っている。

シドニーの現地報道によると、同夫婦から出された3回目の申請に対し、同区を管轄する市議会は現地時間11日の夜、投票により申請却下と決議した。

高い天井、出窓、アーチ、列柱のある中央の中庭を特徴とするクレイグ・ワイ・モルはシドニーでは有名な建築。1908年に建てられた後、建築家レスリー・ウィルキンソンにより1960年代に再設計されている。かつては日本の総領事、豪州有名株式投資トレーダーのレネー・リブキン(Rene Rivkin)氏や船内荷役請負会社オーナーのクリス・コリガン(Chris Corrigan)氏が住んでいた。

「驚くほどの大金を払って、素晴らしい家を壊そうとしている」と、メディアの取材に隣人が語っている。新しい家は5階建てで8つのベッドルーム。前回2度の申請が、新築する建物施設が大き過ぎるという理由から却下されたため、今回の申請では、プールを二つから一つに減らしているという。

大規模な車庫を含む2つの階層を地下に築くという新築計画は、砂岩岩盤まで及んでしまうため、およそ2600立方メートルの土砂が掘り出されるとして、議会はこれを「敷地の過度の掘り起こし」と指摘している。

9月27日の協議会で、グリーン党ニコラ・グリーブ議員はこの豪邸の建て替えを「ポイントパイパーの採鉱」と表現し、施工主に採鉱許可書が必要だとほのめかしている。

42歳と38歳の曾夫妻には息子が2人おり、現在中国に住んでいるが、この豪邸の購入を通して移民ビザを取得したという。

オーナーの妻、蒋梅さんは、中国中央テレビの元アナウンサー。現在は香港に登録された土地開発会社の総裁を務める。中国の大中型都市の主要高速道路の下にある卸売センターを立ち退かせ、ショッピングモールを建設したり、しばしば民間防衛避難所を取り壊してショッピングセンターに変える工事をしている。

今回の建替え申請拒否を受け、夫妻は土地環境裁判所(Land and Environmental Court)に再審を求める可能性がある、と見られている。

(翻訳編集・坂本)
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