【ショート・エッセイ】 西の国 東の国

【大紀元日本11月14日】根拠のない推測にすぎないが、国家には、その運営上ちょうど良い大きさというものがあるのではないかと思っている。

国が大きすぎれば統治が難しく、いろいろ厄介なことも多い。小さい国は、石油でも噴き出ない限り金持ちにはなれないだろう。ただ、欲張りさえしなければ、それなりに幸せな生活ができる。幸せとは平穏のことである。求め過ぎれば不足、不満、不安、不正につながり、それは必ず自身に不幸を招くことになる。

東の国である日本から見て、はるか西の彼方。大陸が大西洋に果てようとする土地にポルトガルという旧知の国がある。人口は約1千万。日本も大国ではないが、彼の国はさらに小さい。

しかし、大航海時代の先駆者として、ポルトガルは最も早く東アジアと接触をもった。

日本との関係も、種子島への鉄砲伝来ばかりではない。日本史や日本文学、あるいは日本語を研究する上で欠かせない資料に『日葡辞書』というものがある。これはキリスト教の布教に来たポルトガル人の宣教師が、まずは現地の言葉を理解しなければ目的は達せられないということで当時の日本語をローマ字表記したものだが、それが今日、16世紀の日本語の発音を知る貴重な文献になっているのである。

20世紀、ポルトガルが有していたアフリカの植民地(ポルトガルはこれを自国の海外州と位置づけていた)が凄惨な戦争を経て、次々に独立。99年にはマカオも中国に返還され、15世紀以来のポルトガル海上帝国の栄光は消えた。

総面積という点では格段に小さくなったが、そのことでポルトガル国民が萎縮したとはもちろん聞かない。良質のワインにオリーブ。サッカーもなかなか強い。わが日本と同様、人々が欲張りさえしなければ、ともに幸せに近い国である。 

(埼玉S)
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