スーチーさんの釈放に 世界が喜ぶ 中国は沈黙

【大紀元日本11月14日】独裁政権に屈しないアジアの民主化運動のシンポル、スーチーさん(65)の姿が13日夕、ヤンゴンの湖畔にある自宅前に現れた。ミャンマー軍事政権に自宅軟禁されてから7年半ぶりに自由の身となった。朝から待ち続けていた支持者たちは、現れてきたスーチーさんの姿に、花を投げ、喜びの声を上げた。

スーチーさんの自由に世界も歓迎を送っている。横浜でアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に出席している米オバマ大統領は、スーチーさんを「私の心の英雄」と称し、ミャンマー軍事政権にすべての政治犯を釈放するよう呼びかけた。1991年のノーベル平和賞の受賞者として、スーチーさんをオスロに訪問する招待状を、ノーベル平和賞委員会が13日、釈放の直後に出した。

国連やEUも同日、ミャンマー軍事政府に、「いかなる条件も付けずに」スーチーさんの完全な自由を保証することや、ほかの政治犯の釈放を呼びかけている。

一方、中国政府からの反応は見当たらず、政府系の新華社通信は、短いニュースで、懲役を終了したミャンマー国民民主連盟の書記長・スーチーさんが釈放されたと報じており、スーチーさんの民主化運動との関係とノーベル平和賞受賞者であることには言及しなかった。

11月7日に行われた20年ぶりの総選挙で、軍事政権の強い影響を受けている新政権が誕生した。総選挙後にスーチーさんを釈放した軍部の意図が疑われている。軍事政権への妥協を拒否してきたスーチーさんは今後、政治活動を続けるのか。弁護士のキーウェンさんは昨日、フランス放送局の取材に対して、「はっきり答えられないが、スーチーさんはいつも自分は政治家だと言っており、この言葉から結論が出るだろう」とポジティブな答えだった。

ミャンマーの民主化運動の指導者として、スーチーさんは89年からの21年間で、合わせて15年間軍事政権から繰り返し自宅軟禁処分を受けてきた。

(翻訳編集・趙莫迦Zhao Mojia)
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