「砲撃事件で6カ国協議を利用 日本との領土問題を解決」=中国共産党機関紙

【大紀元日本11月30日】「結果を気にせず、中国が積極的に事件の解決に働きかけている姿をアピールすればよい」「今回の事件を利用して、6カ国協議で釣魚島問題を解決すればよい」 ― 人民日報社傘下の環球網は29日「半島情勢が失速すれば人民解放軍は北に入る」と題する同環球日報26日付けの記事を掲載。朝鮮半島の今後の行方と中国の対応に関する専門家のインタビュー記事に、このような発言がみられた。

インタビューに応じたのは国防大学や中国人民大学国際関係学院、上海東アジア研究所などに務める5人の専門家。

朝鮮半島の情勢について「戦争になる可能性は低い」と見解は一致。しかし、万が一の有事の際に、中国は北朝鮮に軍隊を派遣し、20~30キロの緩衝地帯を作るべきと指摘している。北朝鮮の難民を北の国境内に留めることが目的としている。

また、中国の対応について、南北両国に働きかけるべきだとし「結果がどうなっても、中国は朝鮮半島の緊張を緩和するために、積極的に行動している姿を西側にアピールしていればよい」と述べている。

一方、北朝鮮に対して「公に軍事的または経済的圧力をかけるべきではない」と見解。その理由は「北朝鮮が今譲歩したとしても、北朝鮮の恨みを買ってしまう。しかも、今後米国は何かがあれば、北朝鮮を利用して、中国に圧力を掛けてくる」と北朝鮮を刺激しない考えを示した。

今後の中国の対応については「韓国哨戒艦沈没事件で、事件がアメリカに利用され、そもそも関係のない南北問題が中国に飛び火し、韓国との関係もギクシャクしてしまう羽目となった。このような局面は避けるべきだ」と述べ、中国は「責任ある大国」という国際社会の世論に踊らされずに「下手に首を突っ込まないこと」と指摘している。

その代わりに「今回の危機をチャンスに転換させる」として、6カ国協議の中で北東アジアの安全担当役のロシアを前面に出させる。そして、今回の事件を利用して、本来は核問題をテーマとする6カ国協議の内容を多様化し、領土問題の解決も議題に入れ、日露の北方領土の問題や、日韓の竹島問題、そして日中の尖閣諸島問題の解決を目指す、と提示している。

中国の武大偉・朝鮮半島問題特別代表は28日、北京で緊急記者会見を開き、朝鮮半島情勢の緊張を緩和するため、6カ国協議の首脳代表緊急会合の開催を提案したばかり。「問題解決のカギ」と期待されている中国が6カ国協議を緊急に呼びかけた本意の側面が、環球日報の同記事から窺える。

(翻訳編集・高遠)
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