行方不明の弁護士 中国当局「知らない」「中国は法制国家」

【大紀元日本4月1日】中国当局は3月29日、国連の関連機関による、人権派弁護士・高智晟氏の釈放要求を拒否した。同氏は2006年から、中国当局に何度も監禁されており、2010年4月に公に姿を見せてからは、ずっと「行方不明」になっている。

当日行われた定例記者会見で、中国外交部の姜瑜・報道官は関連の記者質問に対し、高智晟氏のことについて「具体的なことは知らない」としながらも、「中国は法制国家である」と強調し、同氏を監禁した事実を実質上否定している。また、同報道官は国連に対し、「中国の主権への尊重」を訴え、「中国政府は国連人権機関との提携を重視している」などと強調した。

一方、中国の警察・司法機関は、高智晟氏への逮捕状の開示や、その罪名の公開を拒否しており、家族に対し、同氏を逮捕する理由すら説明していない。

それを踏まえ、国連人権委員会に属する「国連不法拘禁問題対応チーム」は28日に報告書を発表し、高智晟氏は卓越した弁護士であり、人権保護で名を知られていると評価した。また、中国当局に対して、同氏への監禁は国際法と中国の法律に違反しているとして非難し、同氏の釈放を促していた。

高智晟氏は中国の著名な弁護士である。医療事故や、土地の収用、労使紛糾、強制中絶などの訴訟案件では、常に社会的弱者の味方に立って法的支援を提供し続けた。

また、中国当局から弾圧を受けているキリスト教徒や法輪功学習者の弁護も引き受けてきた。2005年から3度にわたり、中国共産党最高指導部に公開嘆願書を提出し、法輪功弾圧の違法性と残虐性を訴え、その停止を求めた。

同氏の妻は2009年3月、2人の子を連れて米国へ脱出し、難民として保護されている。

(翻訳編集・叶子)
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