中国製造旅客機、インドネシアで墜落事故 27人死亡

【大紀元日本5月10日】インドネシアの国営大手航空会社の旅客機が5月7日、インドネシア国内で墜落した。インドネシアメディアの報道によると、乗客21人と乗員6人の全員が死亡。墜落した旅客機はここ数年、国内外での販売が伸びている中国製造の「新舟60」型旅客機であり、昨年もインドネシア国内で2回の事故が発生していたため、インドネシアでは「新舟60」の品質問題が問われている。

事故当時、同旅客機は西パプア州コタソロン市からカイマナ県に向かっていた。着陸態勢に入ったとき、滑走路から500メートル離れた地点で海に墜落。インドネシア交通部の報道官によると、27人全員が死亡した可能性が高い。また、事故原因の究明で重視されるブラック・ボックスは、水深15メートルの海底から見つかったという。

インドネシア英字紙ジャカルタ・ポストは8日、今回の事故を含めて、同型機は昨年以来インドネシア国内で3件の事故を起こしていることを報じた。昨年7月14日、メルパチ・ヌサンタラ航空(Merpati Nusantara Airlines)の同型機が、マタラム市のセラパラン空港からデンパサール空港に向かう途中、機内の電線回路のショートによりフライトを中断。死傷者はなかった。

そして、今年2月19日、同航空会社の同型機が、クパン市のエル・タリ空港で滑走路から外れる事故があった。幸い、乗客乗員は全員無事だった。

「新舟60」型の旅客機は中国の一航西安飛機工業(集団)有限責任公司が自主製造するプロペラ機であり、約60席の客席を備える。主に支線を運航するコミューター機として導入され、ここ数年、国内外での販売が伸びている。関連報道によれば、「新舟60」の発注数量は約180機に達しており、大半は国外に輸出されている。

中国メディアの報道によると、これまでに、同型機はジンバブエなどのアフリカ国家に輸出されている。ここ数年中国国内の航空会社を含むアジア地区の航空会社も導入している。2006年6月、インドネシア国営大手航空会社のメルパチ・ヌサンタラ航空が、中国から同型機を輸入。中国旅客機の輸出販売上、最大の売上となった。

5月7日の事故の後、インドネシア国内で「新舟60」の品質問題について論議が交わされている。ジャカルタ・ポストの報道によると、中国から同型機を輸入した当初、同時のユスフ・カラ(Jusuf Kalla)副大統領は、生産量が低すぎることや米連邦航空局の認証がないことから、購入計画を却下したという。しかし同副大統領が辞任後、2009年にメルパチ・ヌサンタラ航空は購入に乗り出した。

一方、中国国内メディアはインドネシアでの事故を、中国製造の「新舟60」型旅客機にとって初の重大航空事故であるとして報じている。 

このニュースは中国国内での報道後、読者の注目を集めている。ポータルサイト網易で9日午後に掲載された関連記事には、同日夜10時の時点で、記事のコメント欄に1600以上の書き込みが寄せられ、約4万5千人がこれらの書き込みをフォローしている。その多くは中国産の品質についての不信感を表しており、「インドネシア人は、メードインチャイナの本当の意味は分かっていないね」という書き込みには、約1万1千人が「同感」を示している。また、「食品安全さえもろくな管理ができない国が、飛行機の品質管理をうまくできるわけがない」という書き込みには、約7千人が「同感」とフォローしている。

(翻訳編集・叶子)
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