ベトナム、中国当局に屈する判決下す 国際人権団体が非難

【大紀元日本11月14日】ベトナム裁判所はこのほど、2人の法輪功学習者に最長3年間の懲役刑を科した。2人は中国政府が封鎖する情報をラジオ放送で中国国内に送ったため、昨年ベトナム政府に逮捕された。 国際人権団体がその件について、ベトナム政府を非難した。

Vu Duc TrungさんとLe Van Thanhさんは2010年6月にベトナム政府に逮捕された。罪状はハノイ郊外の農場から、中国国内に「希望の声」ラジオの放送電波を毎日送っていたことである。今月10日、2人にはそれぞれ3年と2年の懲役刑が処せられた。

情報統制という壁に囲まれている中国人にとって、アンテナから拾う短波ラジオの電波は時には真実を知る唯一の手段である。サンフランシスコに本部を置く「希望の声」ラジオは2004年から中国向け短波放送を始め、中国当局が封鎖するニュースを報道し続けている。そのため、度々、中国政府の妨害や圧力を受けている。

この件について、国際人権NGOの「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」(本部・ニューヨーク)は声明文を発表し、「彼らの活動が中国政府の機嫌を損なった。それだけの理由で、ベトナム政府が自国民を懲罰している」と記し、政府がこの種の人権侵害を犯すべきではないと非難した。

ニューヨークにある「法輪大法情報センター」のスポークスマン・張而平氏は、ベトナム政府がこのように中国政府の機嫌を取るのは、実に悲しいことであると述べた。

同氏は「本件はベトナムにとって悲劇である。いわゆる法廷の審理は、完全に中国政府に見せるための茶番劇だ。国の主権を完全に喪失し、ベトナム自国の憲法や、国際法にも違反している」と語った。

メディアの報道によると、駐ベトナムの中国大使館がベトナム政府に送った備忘録は、ベトナム国民がその領土上で短波ラジオの信号を発するのを禁止するよう求めていた。

法輪功問題の研究者、ジョージ・メイソン大学の張天亮教授は、「一連の関連の事案から、ある結論が得られた。つまり、法輪功への弾圧について、中国政府は諸外国に非常に強い圧力をかけている。ごく一部の政府は経済・政治利益のために妥協してしまった」と見解を示した。

今月上旬、法輪功学習者40数人が駐ハノイの中国大使館の付近の路地に集まり、本件の抗議をしている時、ベトナム警察は彼ら全員を一時身柄拘束した。国際人権団体アムネスティはこの件について、ベトナム政府の対応を非難した。

 (翻訳編集・叶子)
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