ハリウッド俳優、中国の人権活動家との接触を乱暴に拒まれる

【大紀元日本12月17日】新作映画のプロモーションのために北京を訪れていた、世界的に有名なハリウッド俳優が15日、車で8時間かけて、自宅軟禁されている盲目の人権活動家・陳光誠氏を訪れようとし、山東省臨沂市の村に向かった。しかし、中国の警察当局に手荒く扱われ、その場を立ち去らざるを得なかった。

陳光誠氏を訪れようとしたのは、英国出身の俳優、クリスチャン・ベール氏で、アカデミー賞やゴールデングローブ賞の受賞経歴を持つ実力派俳優。

米CNNによると、同社の取材スタッフの同行でベール氏は陳氏の住む村に立ち入ろうとしたが、警備員らに脅迫まがいの口調で退去を強制された。その後、この警備員らはミニバンに乗って、立ち去ろうとするベール氏と同伴者の車を40分以上尾行し続けたという。

ベール氏が、陳氏に会いに来たと警備員らに伝えると「立ち去れ!」と怒鳴り、強引に押し返そうとした。双方の問答が続くと、2つの灰色のミニバンが表れて、人民軍の服のようなカーキ色のコートを着た男たちが多数現れ、俳優とCNNのレポーター、TVカメラマンを取り囲んだ。

「なぜ自由の身であるはずの彼に会うことが出来ないのか」とベール氏は何度も訴えたが、警備員らはカメラを強奪しようとするなど暴力で返答。その後、立ち去らざるを得なくなったベール氏らの車を猛スピードで同じく警備員らの乗った灰色のミニバンが追跡してきた。

舗装されていないあぜ道を高速で走ったため、車が壊れ、CNNの取材カメラは破損した。散々な目に遭ったベール氏はこう呟いたと言う。「私が本当にしたかったのは、ただ陳氏に会い握手を交わし、その印象を伝えたかっただけだ」

自宅軟禁状態にある陳氏は、中国当局が強制中絶などの反人道的手段で人口抑制していると告発したため2006年8月に収監された。4年半の刑期を終え、今年釈放されたが、現在も厳しい当局の監視下の元で、社会的な接触を断絶させられている。

ベール氏と当局のプロパガンダ映画

このたびベール氏が16日に北京でプロモーション活動をし、同日に中国で一般公開された新作映画「戦争の花」は、制作費1億ドルと中国映画産業市場最も高い映画で、中国がアカデミー賞受賞を狙う作品だ。

張藝謀監督の「戦争の花」は1937~38年の日本軍占領下の南京を舞台にした戦争映画。ベール氏はプロモーション活動以前から、米英メディアより、この映画は中国当局のプロパガンダ目的ではないかとの批判的な質問を浴びていた。映画評論家たちはまた、この映画の政治性を非難している。

メディアの、この映画と政治性に関する質問に対し、ベール氏は驚いて「その質問を考慮したことはなかった、(プロパガンダ目的であることについて)決して私が望んだわけではない」とウォールストリートジャーナルの質問に答えている。

(翻訳編集・佐渡 道世)
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