重慶亡命騒ぎの王立軍が「全人代」欠席 「休みを取っている」

【大紀元日本3月3日】先月、米領事館に駆け込んだ重慶市副市長で全国人民代表大会(全人大)代表の王立軍氏は「休みを取って」、5日に開かれる同会議に欠席する。2日、全国政治協商会議のスポークスマン趙啓正氏は記者会見でそう明言した。

趙氏はさらに、王立軍氏は現在「関連部門が調査中で、進展を得ている」と述べた。また、同市トップで渦中の薄煕来書記について「(全人大)開幕の時に会えるかもしれない。彼を取材すればいい」と記者らに語り、薄書記の出席をほのめかした。

今回の発言は、先月9日に新華社が王立軍氏の駆け込み事件をわずか44文字で報じて以来、初めての公的なものだ。会見でスポークスマンは、王立軍事件は「独立した案件」で、今までのメディアの分析報道は「荒唐無稽」だと非難した。同時に、重慶市の経済建設と社会発展の成果を改めて称えた。

趙氏の発言について、米在住の中国政情専門家・横河氏はこう断じる。「(重慶市公安局長だった)王立軍は全国公安畑ではナンバーワン的な人物、重慶モデルの象徴。そんな人が脅威を感じた時に、党組織に助けを求めず、米領事館に駆け込んだ。その意味は自明であろう。1971年の林彪事件も『独立した案件』と言えるのか? その事件は毛沢東と文革にとって致命傷となっていたのだ」

横河氏はまた「メディアの分析が荒唐無稽なら、なぜ当局が正確な情報を提供しないのか」と反論した。

「王立軍の亡命騒ぎは当局にとって喉に刺さった骨のようだ」。時事評論家の任伯鳴氏はそう指摘する。飲み込みも吐き出しもできないこの「骨」の扱いに困った当局は外部に対して「知らんぷり」をするしかない。「この1カ月近い空白、それ自体が王事件は中共各派閥の権力関係をかき乱したことを物語っている」と任氏は分析した。薄煕来書記の全人代への「無事」出席はこの混乱の様相を水面下に抑えようとする当局の狙いがうかがえるという。

なお、欠席とされる王立軍氏は今でも、全人代公式サイトの代表名簿に載っている。

 (翻訳編集・張凛音)
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