「改革の邪魔は既得権益者」広東省トップが発言 権力闘争絡みか

【大紀元日本3月9日】「改革の邪魔は既得権益者」―汪洋広東省委書記は両会(全国人民大会と全国政治協商会議)会議でこの発言した。共産党第18回大会をにらみ、党指導部内で激しさを増す権力闘争で、各派閥の動きが活発になっている。

同書記は改革が進まない理由として、様々な利益集団が党と政府の意思決定に影響を与えているため、それらが作った「利益構図」が改革を邪魔しているからだと指摘し、この問題を解決するにはまず「党と人民政府にメスを入れなければ」と発言した。

さらに、現行の政府体制を改革する必要もあると指摘し、「中央政府の同意がなければ実行が難しい」「必要なら私も陳情しに行く」と改革に強い意欲を示した。

同省の朱小丹省長も政府改革の最大の妨害は政府自身で、「市場経済にそぐわない権力と利益の配置が原因」だと話し、「自らの身を切る覚悟を持つべきだ」と呼びかけた。

これについて、シンガポール国立大学東アジア研究所の郭良平高級研究員は「権力と利益の癒着が横行する中国では、些細な出来事で全局に影響を及ぼす恐れがあるため、地方だけで改革を行うことはほぼ不可能だ」と解説する。「現在の権力構造は最大の阻害だ」と述べた。

これまで温家宝首相は10数回以上、公の場で改革を呼びかけており、同じ改革派として知られている同書記のこのタイミングでの発言は党内権力闘争に絡んでいると専門家は見ている。

広東省社科院現代化発展戦略研究所の陳栄平教授は「党18大を控える今、政治局常務委員入りを目指す汪書記と薄熙来重慶市委書記はそれぞれ、動きを活発化させている」と指摘した。

(翻訳編集・高遠)
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