薄煕来氏が記者会見 自身の「無傷」をアピール

【大紀元日本3月10日】今年の「両会全人代と全国政治協商会議)」で一番注目されている重慶市代表団は9日午前、記者会見に臨んだ。同市の王立軍・前公安局長が2月はじめに米国総領事館に駆け込んだ事件について、なんらかの公表があると期待が高まっていた。注目の的である同市の共産党委員会の薄煕来・書記が、記者会見に出席し、公の席で初めて同事件に言及した。一方、多くのメディア記者の入場が遮断された。

記者会見の席で薄書記は王立軍事件について、「王立軍は現在、中央の関連部門の調査を受けており、すでに進展している。彼は(今回の)第11期全人大第5回会議に休みを取って欠席している。この問題はまだ処理中で、結論が出たら皆に公表する」と、事前に用意したメモを読み上げ、数日前の当局の説明とほぼ変わらなかった。

さらに、王立軍事件は「予想もしなかった」ものであり、「不適切な抜擢した。非常に心が痛む」と述べた上、同事件は独立した事件であり、この一件で重慶市が推し進めている「打黒(マフィアを取り締まる)」を全面否定するのは不適切だと弁解した。

自身の政治局常務委員入りについて、薄書記は「自身と十八大(第18回中国共産党全国代表会議)を結びつけたことはない」とし、「重慶は十八大を迎えるために、各方面の仕事をしっかり行っているだけ。これはもっとも現実的なことだ」と、事件が自分に影響を及ぼしてないことをアピールした。

さらに、前日の全体会議欠席については、「少し咳が出て、体調がすぐれなかった」との説明に止まった。

一方、今回の記者会見に出席できた記者はごく一部に限られていた。前日、重慶市政府関係者が「非常にオーブンに、たっぷり時間を用意して、皆さんが知りたいことを伝える」とメディアに約束していたにもかかわらず、大会に事前申請した記者のみが参加できる、という臨時のルールが当日通達され、百人以上の記者が入場できなかった。「昨日申し込もうとしたら、申し込みは不要で、直接来ればいいと言われていた」。入場できなかった記者は不満を隠せない様子だった。

中国紙『経済観察報』の陳勇記者は、「党関連のメディアのみが入場できた。不満を言えば、身分証が没収される」などと明かしている。

大会側は、記者の入場を制限したのは、会場の広さが限られているためと説明したり、同記者会見があることを否定したりして、二転三転した応答となった。

 (記者・駱亜、翻訳編集・叶子)
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