ゴマをする人物には気をつけよう

古今東西、権力者が腐敗するのは世の常。取巻きたちが送る金や貢物の他に、最も権力者を堕落させるのは、周りからの「賞賛の声」。褒め言葉は聞けば聞くほど耳に心地いいが、その一方、自分自身も含めて周りが見えなくなってくる。「俺の言うことはいつも正しい。俺は才能があるから・・・」と、権力者はますます勘違いすることになり、周りがどれだけ迷惑しているのかも分からなくなってくる。つまり、ますます自分を幻想の世界へと閉じ込めてしまうのだ。古人曰く、「自分の機嫌を取ろうとする人とは距離を置くべし」。常に真実を見極めるには、権力を得てもゴマをする人たちに警戒することだ。古代中国に、こんな逸話がある。

 中国の唐の時代、皇帝の唐太宗が退朝した後に散歩していると、大きな木があった。枝葉が繁茂する見事な枝ぶりの大木を目にして、唐太宗はたいそう機嫌がよくなった。側にいた宇文士及(うぶんしきゅう)は太宗の機嫌を取ろうとして、その大木を褒めちぎった。すると、唐太宗は厳しく宇文士及を叱りつけた。「魏徴(ぎちょう)(※)は、卑しい性格をした人物とは距離を置くようにと忠告してくれた。お前はそのような人物かもしれないと思っていたが、今まではっきりとは分からなかった。しかし、今、そうであることが分かった」。宇文士及は恐れ入りながら、許しを乞うた。

 ゴマすりの上手い人は、権力者を喜ばせる。取巻きたちは権力者の前で真実を曲げ、表面を誤魔化すことに長けている一方、正直な人や真実を話す人を打ち落とす。権力を得たなら、取り入ろうとする人たちとは一線を画したほうがいいだろう。高尚な心を保つのはとても難しいが、堕落するのはいとも簡単なのだから。

(※)皇帝の誤りを諌め、忠告する諌議大夫(かんぎたいふ)として唐太宗から重宝された人物。太宗は直言厳しい魏徴を側に置き、常に自身を律することに努めたという。

 

 (翻訳編集・郭丹丹)

 

 

 

関連記事
中国福建省の何仲柯さんと蘇誹雲さん夫婦には子供が4人いる。それぞれ9歳、10歳、14歳と13歳でアメリカ・シアトルのワシントン大学に入学し、そして皆優秀な成績で卒業した。4人
ハリウッドで有名な映画監督のジェームズ・キャメロン(James Cameron)さんは、ワシントンDCで開催された「地球の日」創設40周年イベントに参加した際、大紀元の取材に応じた。キャメロンさんは大ヒットした映画『タイタニック(Titanic)』と『アバター(Avatar)』が見事に成功した秘訣、また『アバター(Avatar)』を製作するきっかけなどを心置きなく語ってくれた。
山西省・陽泉市の山奥にたたずむ大汖村。チベットのポタラ宮に酷似するこの村は、千年も前から存在している。現地政府の調査によると、村の背後には「鎮山大王廟」があり
南北朝の時代、五台山にある靈鷲寺に三人の若い僧侶がいた。ある日、彼らは食糧を携えて、山の奥に住む仙人を探す旅に出た。彼らは幾つもの森を抜け、食糧が底をついた後も志を変えること
昔、今の中国湖南省、湖北省辺りに、とても正直な知識人がいた。玉皇大帝は冥界第七殿で人手不足なため、彼に暫く業務を代行するよう任命した。彼はそれから数日置きに冥界へ行き、閻魔帳を確認する仕事を行った。
「舞」と「武」は音読みで「ブ」、中国語では「ウ」と発音されます。古代中国では、 舞踊も武道も嗜むものが、学問に精通するとされてきました。
宇宙で音は聞こえません。すべて吸い込まれていくからです。でも、いくつかの宇宙船は、音に変わるエネルギーをとらえていました。
自信とはいったいどれほど重要なのか?昔の著名人たちも自信に関する名言を数々残している。エマーソンは「自信は成功の第一歩である」といい、ナポレオンは「君に一つ忠告しよう、自分を主役にしろ」と言い残した。確かに自信が欠けている人は、優柔不断で最初の一歩がなかなか踏み出せず、物事を成し遂げて成功することは難しいだろう。 アメリカのライフブログ「Lifehack」から自信がつく五つの方法を紹介しましょう。日常生活の中でも試してみてください。
更に年代別に見ると、30代は「嫌われないか心配」(36%)、「パワハラにならないか心配」(25%)に対して40代以上は「ジェネレーションギャップを感じる」(46%)などの項目のポイントが目立っており、同じ悩みでも世代によって悩むポイントが微妙に違うものとなっている。