中国 果実輸入制限でフィリピンをけん制 背景は中沙諸島領有権争いか

【大紀元日本5月12日】中国、フィリピン、台湾、ベトナムがそれぞれ領有権を主張している南シナ海の中沙諸島で4月8日、中沙諸島の黄岩島(スカボロ礁)に停泊していた中国漁船に対して、フィリピン海軍が検閲を実施。中国側の監視船も駆けつけて、双方が対峙する事態となった。以来、両国間の緊張は現在も続いている。その最中である今月9日、中国当局は今後、フィリピン産輸入果実への検疫を強化するとフィリピン側に通知した。専門家は、中国当局が「経済で政治を制する」という典型的な方法により、領有権で対立するフィリピンに圧力をかけたと指摘するとともに、中国のこのような手法は、日本や台湾に対しても用いられていると述べた。ボイス・オブ・アメリカ(中国語版)が伝えた。

フィリピン政府に圧力をかける中国の思惑

中国側の検査検疫局はこの通知のなかで、「これまでに何度もフィリピン産のバナナやパイナップルなどに疫病菌や害虫類の付着が見られた」とし、その風評が中国国内に存在するうちは検疫を強化すると主張している。

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