大紀元時報

中国船舶からの汚水や廃棄物で…サンゴや海洋生態系に被害=報告

2021年9月15日 18時14分
アジア海洋透明性イニシアチブ、マクサー・テクノロジーズ(MAXAR TECHNOLOGIES)
アジア海洋透明性イニシアチブ、マクサー・テクノロジーズ(MAXAR TECHNOLOGIES)

2021年7月にフィリピンの地理空間分析会社が発表した報告書によると、中国籍の船舶が投棄した海上廃棄物によりフィリピンの環礁と諸島周辺の脆弱な生態系に大きな損害が発生した。

2021年6月に米国に拠点を置く企業シミュラリティ(Simularity)社が発表した報告書「停泊した船舶からの汚水がスプラトリー環礁に被害を与えている」によると、ユニオン堆内のフィリピン領海で少なくとも236隻、さらにパグアサ島周辺で11隻の中国籍の船舶が衛星写真により確認された。

これらの船舶は1トン以上の廃棄物を投棄した。影響を受けた南シナ海の他の地域にはパグカカイサ礁、ジョンソン礁、マッケナン礁(ヒューズ礁)やスプラトリー諸島の他の礁がある。

中国は南シナ海のほとんどで歴史的な権利を主張しており、その東側部分には西フィリピン海も含まれている。しかしながら、中国の恣意的な主張はブルネイ、マレーシア、フィリピン、台湾およびベトナムなどの他の権利を主張する国から異議が唱えられており、2016年に国際法廷によって法的に無効として却下された。

船舶は沿岸から19キロ以上離れた海上に廃棄物を投棄することが認められているが、サンゴ礁や環礁の近辺では禁止されている。 フィリピンの聖トマス大学のゼーア・カトリーナ・エストラーダ(Zhea Katrina Estrada)教授は米インド太平洋司令部運営のメディア、インド・パシフィック・ディフェンス・フォーラムに対し、「これらの船舶が実際に中国籍であることが証明されれば、フィリピンは国際法に違反している行為であるとして、確実に訴訟を提起することができる」と述べた。

フィリピン軍の元アナリストであるエストラーダ教授は、「フィリピン政府は国土と主権を保護し、今後このような状況を回避するために2016年のハーグ裁定を支持する立場を堅持しなければならない」と付け加えた。 欧州宇宙機関のデータに基づいたシミュラリティ社の調査結果には、フィリピン領海に侵入している中国籍の船舶が増加しているという証拠をフィリピン政府が提供したことも関連している。

フィリピン政府は2021年3月に中国の海上民兵と呼ばれる船舶を含む約220隻の中国籍の船舶が領海内に停泊していると発表した。 中国政府はこれらの船舶が嵐からの避難を求めていただけだと主張し、シミュラリティ社のレポートの主張に異議を唱えている。

また、中国籍の船舶が西フィリピン海で違法、無報告および無規制の漁を行っているとも非難されており、汚水の投棄による海洋生態系の被害と共にこの地域の主要な生計手段である漁業資源をさらに枯渇させる可能性がある。

フィリピン上院のラルフ・レクト(Ralph Recto)議長代行は、フィリピン政府に対して中国にダンピング活動に対する抗議と法的措置を取るように強く促した。 7月中旬、レクト議長代行は議会に「サンゴ礁をトイレに変えてしまったことで、2個の人工物が宇宙から見えるようになりました。陸には中国の万里の長城(Great Wall of China)が、海には中国の多大な汚物(Greate Wastes of China)です」と演説した。

フィリピンのシンクタンク、国際開発・安全保障協力(International Development and Security Cooperation)のチェスター・カバルザ(Chester Cabalza)社長は、フォーラムに対して、「適切に起訴されれば、これは紛争海域内における将来の環境犯罪に対する画期的な事例となるだろう。さもなければ、フィリピンは法の執行力がないために脆弱になり続ける」と述べた。

(Indo-Pacific Defence Forum)

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