前に進めば必ず道ができる

【大紀元日本7月10日】この世界の全てに単純な物はなく、困難が付きまとう。しかし、何事も継続してやり続ければ、困難な事は簡単になる。もし、それを大変難しいと認識し、一歩も努力しなければ、それはいつまでも困難なままであり、何事も成さないだろう。清朝の著名な文学家・彭端淑は「為学一首示子侄」の中で、次の物語を記している。

昔、蜀という国の辺境に二人の僧侶が住んでいた。一人は裕福だったが、もう一人は貧乏だった。ある日、貧乏な僧侶が言った。「私は南海の方へ行きたいと思っている」。すると、裕福な僧侶が聞いた。「でも、どうやって?移動はどうするのか」。貧乏な僧侶は、真面目な顔で言った。「私に必要なのは、一本の瓶とひとつの椀だけだ」。裕福な僧侶は不思議そうな顔をして言った。「何年もの間、私も船を借りて南海へ行こうとしているのだが、その手立てがなかった。君は、どうやって行こうというのかね?」

一年後、貧乏な僧侶は南海へ到達し、無事に帰って来た。二人は再会すると、裕福な僧侶は深く恥じ入ったという。

目の前にある物事が難しいと感じても、まずは挑戦してみること。その努力がほんの少しずつだったとしても、継続すれば道ができ、必ず前進するのだから。

(翻訳編集・郭丹丹)