<赤龍解体記>(88)18大で差額選挙 政治局員と常務委員に拡大か

来月8日開催の中国共産党第18回全国代表大会(18大)の開幕が近づくにつれ、その常務委員の候補者や政治改革など、新動向がより一層注目されている。

海外中国語情報誌『新紀元週刊』(第297号)は10月12日、北京の消息筋情報として、18大では差額選挙が実施されると報じた。それによると、習近平氏のブレーンが18大で差額選挙を実施すべきと提案している。「18大の代表らが、中央が決めた候補者の中から中央委員を選出。中央委員の候補者数は委員数を30%上回る。次に、選出された中央委員らが、決められた候補者から政治局委員と常務委員を選出。いずれの候補者数も定員を30~40%上回る」という。

その具体的な数として同情報筋はさらに、「17大の政治局委員は25人だったが、18大では22人に減らし、常務委員は17大の9人から7人に減らす。胡・習らが30人の候補者リストを提出し、210人の中央委員らがそこから22人の政治局委員を選出する。さらに、10~11人の常務委員候補者リストから、中央委員らが7人の常務委員を選出する」と証言している。

この情報によれば、中国共産党のこれまでの差額選挙は、中央委員の選出にとどまっていたが、今回は政治局と常務委員会にまで拡大することになる。この提案は既に、胡・習両氏の同意を得ており、政治局での決定を待つのみだ、という。

先月始め、習氏は二週間ほどにわたって「失踪」していた。その期間中となる9月7日、ロイター通信は、習氏と、胡耀邦元総書記の息子・胡徳平氏との会談について報じた。それによると、政治改革を主張する太子党の代表的存在となる同氏の所に習氏は7月13日に訪ね、その席で同氏は「経済は平穏を保つ中で進歩を求め、政治は平穏を保つ中で改革を求め、文化は平穏を保つ中で変化を求める」という改革の献言をしたという。習氏はこの献言を全面的に受け入れ、18大後に胡元総書記の名誉回復もほのめかしたという。

習氏は、差額選挙の実施によって自らの合法性と改革のイメージを作り出すと共に、中国共産党への求心力を高めようとしていると思われる。

(翻訳編集・呈工)
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