与える喜びは幼児にも

【大紀元日本10月26日】受ける喜びより与える喜び。この事実は幼児にもあてはまることが、カナダのブリティッシュコロンビア大学の3人の心理学者による新しい研究で判明した。

パブリック・ライブラリー・オブ・サイエンス(PLoS One)に掲載された研究論文によると、2歳未満の幼児は、お菓子をもらうことより与えることの方に喜びを感じるという。さらに、単にお菓子を与えるより、自分の持ち物を分けるときの方が、喜びが高いという結論も出している。

大人が人を助けるときに満足感を得ることを測定した最近の研究結果を裏付けるものであり、自腹を切っても社会のために貢献しようとする心理の解明にもつながる。

今回の研究は、幼児が人に与えることに喜びを感じることを示す初めてのものだ。

「幼児は本来、自分本位と思われがちですが、実際は、与えることの方に強い幸せを感じるということが観察されました」。共同研究論文の筆頭執筆者ラーラ・アクニン(Lara Aknin)博士は語る。

研究では、金魚の形のビスケットなどのお菓子を幼児に与え、数分後、ひとつをぬいぐるみに与えるよう促した。さらに、追加のお菓子を幼児に手渡し、ぬいぐるみに与えるよう促した。幼児の反応は録画され、録画をもとに幼児の幸福度を7段階で評価した。

アクニン博士は次のように述べる。「幼児が自分のお菓子を分け与えることに最大の喜びを感じているということが、最も興味深い結果でした。自分にとって何でもないものを手渡すときより、自分の大切なものを人の利益のために譲るときの方が、幸せを感じるのです」

人助けは喜びにつながるという寛容な心が、人間元来の本質に奥深く織り込まれていることをこの研究は示唆している。

(翻訳編集・緒川)
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