心の温まる思い出は、身体にも温もりをもたらす

【大紀元日本12月27日】本格的な冬の寒さの到来となった。節電が叫ばれる中、どんな寒さ対策があるのだろうか。過去の懐かしい思い出は心を温めるものだが、最近の研究で、ノスタルジアに浸ることは寒さへの耐性も高めるという結果がでている。サザンプトン大学の研究者が科学誌「Emotion」に発表した。

 研究では、中国とオランダの大学からのボランティアの協力で、下記の5つの実験が行われた。

 実験1:参加者に30日間、懐かしさを感じた日の記録をつけてもらった。その結果、寒い日の方がノスタルジアに浸ることが多いという傾向がみられた。

 実験2:肌寒い(20℃)、快適(24℃)、暑い(28℃)という異なる室温の部屋のいずれかに被験者に入ってもらい、どの程度懐かしいと思う感情が湧くかを調べた。寒い部屋に入った人が最も懐かしさを感じるという結果が出た。残りの二室では差異はみられなかった。

 実験3: オンラインによる実験で、被験者にノスタルジアに浸るような音楽を聴いてもらい、温もりとの関連を尋ねたところ、肉体的に暖かみを感じると回答する傾向がみられた。

 実験4:被験者に寒い部屋に入ってもらい、一つのグループには懐かしい思い出に浸ってもらい、もう一つのグループには過去の平凡な出来事を思い出してもらい、その後、室温を推定してもらった。その結果、懐かしいことを思い出したグループに属する被験者のほうが室温を高く推定した。

 実験5:実験4同様に、一つのグループには懐かしい思い出に浸ってもらい、もう一つのグループには平凡な出来事を思い出してもらった後 、手を氷水に浸してもらった。懐かしい思い出を回想していた人の方が、冷たさを長く我慢した。

 この調査に携わったティム・ウィルシャット博士(Tim Wildschut)は、次のように結んでいる。「過去の懐かしい思い出が心の慰めや孤独に耐える力となることは知られている。今回の調査の結果、 過去の楽しかった思い出、肉体的な心地よさの記憶は、身体にぬくもりをもたらし、耐寒力も高まることが判明した。ノスタルジアが、寒さ以外の肉体的な不快感に打ち勝つものかが今後の研究課題だ」

(翻訳編集・緒川)

 

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