<赤龍解体記>(99)習近平氏の「憲政の夢」が阻まれる

「中国の夢」「憲法の夢」を掲げる習近平氏が江沢民派から阻まれる(Getty images)

【大紀元日本1月7日】果敢な言論で有名な広東省の週刊紙・南方週末。同紙3日付の紙面に掲載予定だった新年社説「中国の夢、憲政の夢」が中国共産党広東省宣伝部長によって、党賛美の内容にすり替えられた問題が大きな波紋を広げている。この問題は、江沢民派が習近平総書記の唱える「憲政の夢」を阻むためのものかと注目されている。

渦中の広東省宣伝部長の庹震氏は、江沢民派の大黒柱で思想宣伝を司っていた李長春氏の腹心。彼は李氏在任中の人事で、昨年5月に広東省に赴任。その2ヶ月後に、同省の人気紙・新快報の役員異動や解任を行い、南方週末と同じ南方報業グループの評論週刊も8面から4面に減らした。今回の書き換えもその延長線上にあるものの、現任総書記の「憲法の命は実施にあり、憲法の権威も実施にある」との発言に焦点を合わせた南方週末の社説を刈り込むことができたのは、後ろ盾や計画性があったからだと窺える。

在米中国語メディア・博訊によると、庹氏の前職となる新華社の幹部は、庹氏は習氏についてきわめて消極的な発言をしていると証言。「総書記のポストから下されるか、末代の皇帝になるかだ」「5年ほど頑張ればいいほうだ」と周囲に話しているという。

庹氏のバックアップと思わせる談話は、4日、元宣伝部トップで、政治局常務委員の劉雲山氏により発表されている。劉氏は、メディアは「政治的意識を樹立しなければならない」と強調し、習氏が唱える民族復興となる「中国の夢」に触れたものの、憲法の実施を呼びかける「憲政の夢」には言及していない。

この劉氏は、宣伝部トップを務めていた際に、マスコミを厳しく規制し、言論の自由を圧迫してきた経歴を持っている。李長春氏とともに思想・宣伝を厳しく統制してきたと同時に、保守派重鎮として江氏の権威、共産党の独裁政治を守ってきた。習体制の下で、法の実施が強調されれば、これまで共産党統制を実現するための不法な行為やえん罪が見直されることになり、江沢民一派にとって不利な状況は免れない。そのため今回、習氏の唱える「憲政の夢」を阻む行動に出たことも不思議ではない。 

(翻訳編集・呈工/張英)
関連記事
5月3日早朝、ロシア警察による法輪功学習者の家宅捜索が5件あった。「望ましくない組織」のために活動した疑惑で、4名が拘束された。ロシアの主要メディアが報じたが、法輪功に関して、中国共産党による誤った情報をそのまま流している。
フランスで、中国共産党の海外警察組織が反体制者を中国へ強制送還しようとする事件が発生した。 駐仏中国大使館の職 […]
自然死はまあ大丈夫だが、それよりも悪いのは、中国の実験室で漏れ出たコロナで何百万人もの死者を出したことだ。さらに悪いことに、その費用はすべて自由世界の税金で賄われている。中国が新たな感染症災害を招くと確信。 アメリカは、中国製の次の「殺人鬼」の誕生に資金を提供したり、協力したりすべきではない。
豪州戦略政策研究所の最新報告によると、中国共産党(中共)は、世界で人気のアプリを介して、外国人ユーザーのデータを収集し、世界の情報環境に変革をもたらし、海外での宣伝活動の影響力を増しているという。
中国共産党は世界的に流行しているアプリを通じて外国人ユーザーのデータを集め、世界の情報エコシステムを変革し、海 […]